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東京オペラシティ「没後20年 武満徹 オーケストラ・コンサート」ナッセン指揮東京フィル

2016年 10月 4日付

Photo: Schott Music Co. Ltd., Tokyo


今年没後20年を迎えた武満徹のオーケストラ作品を特集するコンサートが、10月13日に東京オペラシティで開かれる。武満の盟友であり作曲家のオリヴァー・ナッセンが東京フィルハーモニー交響楽団を指揮し、ソリストとして、当初予定されていたピーター・ゼルキンに代わり高橋悠治(ピアノ)のほか、クレア・ブース(ソプラノ)、ジュリア・スー(ピアノ)が出演する。

武満の音楽が日本国外で高く評価され始めた1960年代に、小澤征爾らを通じてこれと出会い、共鳴したナッセンとゼルキンは、その理解者として初演を含む武満作品の演奏に携わってきた。近年の来日公演としては、2010年10月8日に東京オペラシティで行われた『武満徹80歳バースデー・コンサート』における、ピアノとオーケストラのための2作品:《リヴァラン》《アステリズム》での2人の共演も記憶に新しい。ナッセンは昨年9月にもサントリーホールで《精霊の庭》を指揮したばかりだ。

本公演のプログラムは、60年代に作曲された4作品:ソプラノとオーケストラのための《環礁》(1962)、ピアノとオーケストラのための《テクスチュアズ》(1964)、17人の弦楽器奏者のための《地平線のドーリア》(1966)、オーケストラのための《グリーン》(1967)、そして1991年に作曲された2台ピアノとオーケストラのための《夢の引用 ─ Say sea, take me!》を加えた全5作品で構成されている。

《グリーン》は、ナッセンが特に魅了された武満作品だという。またゼルキンは91年に行われた《夢の引用》の初演ピアニストをポール・クロスリーと共に務めている。演奏機会の決して多くはない初期のオーケストラ作品と、後期作品との響きの対比も聴くことができるプログラミングも、この2人による選曲ならではだろうか。

残念ながら来日できなくなったゼルキンに代わって出演する高橋悠治もまた、1964年に《テクスチュアズ》初演のピアニストを務めている。高橋は2012年にも、かつて自身が初演を行った《アステリズム》の再演を行い、研ぎ澄まされたパフォーマンスを披露した。ゼルキンも強く推薦したという高橋の演奏にも期待が高まる。


武満 徹 オーケストラ・コンサート
2016年10月13日 19:00 東京オペラシティ コンサートホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=7370

オリヴァー・ナッセン(指揮)
クレア・ブース(ソプラノ)
高橋悠治、ジュリア・スー(ピアノ)
東京フィルハーモニー交響楽団