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コンポージアム2018「ウンスク・チンを迎えて」 オーケストラ作品3曲を日本初演

2018年 4月27日付

©Priska Ketterer


東京オペラシティの同時代音楽企画「コンポージアム COMPOSIUM」は、今年で20回目を数える。今年は、第一線で次々と話題作を発表し続けている作曲家ウンスク・チン(陳銀淑,Unsuk Chin)を迎え、チンのオーケストラ作品を特集する演奏会と、武満徹作曲賞を軸に開催される。

韓国出身のウンスク・チンはソウル大学でスキ・カンに、その後ハンブルクでジェルジ・リゲティに学び、現在はベルリンを拠点として活動している。90年代より数々の作曲コンクールで頭角を現し、2004年には《ヴァイオリン協奏曲》(2001)でグロマイヤー賞を受賞、2007年にケント・ナガノ指揮によって初演された自身初のオペラ《不思議の国のアリス》(2004-07)で独オペルンベルト誌の年間最優秀初演作品賞を受賞するなど、現代を代表する作曲家の1人として知られる。

5月24日「ウンスク・チンの音楽」では、評価の高い6つの協奏曲のうち《チェロ協奏曲》と《クラリネット協奏曲》、そして近作《マネキンオーケストラのためのタブロー・ヴィヴァン》の3曲の日本初演が行われる。ソリストは作曲家の信頼厚い、ジェローム・コント(クラリネット)とイサン・エンダース(チェロ)。現代作品に精通し、《マネキン》と《チェロ協奏曲》の世界初演も手がけたイラン・ヴォルコフが、読売日本交響楽団を指揮する。

アルバン・ゲルハルト(チェロ)に献呈されている《チェロ協奏曲》(2006-08, 2013改訂)は、BBCの委嘱によって作曲された。2009年ロンドンで、ゲルハルトとヴォルコフ指揮BBCスコティッシュ交響楽団によって初演された後、2013年に、第2楽章が改訂された版の初演がゲルハルトとケント・ナガノ指揮バイエルン国立管弦楽団によって行われた。独奏パートは困難な演奏技術が求められるが、その中にあって楽器の叙情性が存分に探求されている。

《クラリネット協奏曲》(2014)はチンによる6曲目の協奏作品だ。2014年5月にカリ・クリーク(クラリネット)とケント・ナガノ指揮イェーテボリ交響楽団によって曲の一部が初演された後、同年9月、クリークとアラン・ギルバート指揮ニューヨーク・フィルハーモニックによって全曲の初演が行われた。作曲者は、時代や地域を特定しがたい想像上の儀式的な民俗音楽を人工的に作り上げ、それを楽想として提示することを意図したと述べている。

演奏会前日の23日には、今回演奏される曲目を中心に、チンが自身の作品について解説する講演会が催される(入場無料・申込不要)。また「コンポージアム2018」公式ウェブサイトには現在、チンの作品を出版しているブージー・アンド・ホークス社制作によるインタビュー動画と、その日本語訳(抜粋)が掲載されている。幼少期の音楽体験、師リゲティとの出会い、協奏曲という形態への思い入れなど、作曲家自身によって語られる半生を通じて、その音楽観の一端を垣間見ることができるコンテンツだ。
■ コンポージアム2018:ウンスク・チン、自らを語る Unsuk Chin on Unsuk Chin

チンが審査員を務める27日の「2018年度武満徹作曲賞本選演奏会」では、応募された40ヵ国143作の中からチンによる譜面審査で選ばれた4作品が演奏され、受賞作品が決定する。演奏は杉山洋一指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。
■ コンポージアム2018:審査員:ウンスク・チンのコメント「2018年度武満徹作曲賞 譜面審査を終えて」

また「コンポージアム2018」に関連し、25日に国立音楽大学(東京)では、アンサンブルのための《Gougalon》(2009/11)の日本初演が、板倉康明の指揮によって行われる。


東京オペラシティの同時代音楽企画
コンポージアム2018「ウンスク・チンを迎えて」
東京オペラシティ コンサートホール
http://www.operacity.jp/concert/compo/2018/

2018年5月23日[水]19:00 講演会「ウンスク・チン、自作を語る」[info
2018年5月24日[木]19:00 ウンスク・チンの音楽[info
2018年5月27日[日]15:00 2018年度武満徹作曲賞本選演奏会[info