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スポットライト:ショット・ニューヨークの作曲家たち

2018年 12月 3日付

From left:
Douglas J. Cuomo © Daniel Fried
Hannah Lash © Karjaka Studios
Lei Liang, Photo by Alex Matthews
Andrew Norman © Craig T. Matthew


近年、ショット・ミュージックから作品が出版されている、アメリカを拠点に活躍する作曲家の活躍が目覚ましく、欧米のオーケストラや劇場、批評家から熱い視線を集めています。今回はその中でも注目の4人をご紹介します。

音楽のジャンルを問わず、精力的に活動を展開し続けているダグラス・J・クオモ、ニューヨーク・タイムズで絶賛された作曲家であり、かつ優れたハープ奏者でもあるハンナ・ラッシュ、最近の華々しい活躍により、同年代の作曲家の中で最も注目株と目されているアンドリュー・ノーマン、そして、格調高く、色彩豊かな美しい作品で聴衆を魅了するレイ・リャン。彼らの今後の活動にご期待ください。

彼らの作品は、通常のレンタル楽譜や販売譜としてもお取り扱いしていますが、ショット・ミュージックのニューヨーク支社が運営する「PSNY - Project Schott New York」では、より手軽に彼らの作品に触れることができます。PSNYは11月半ばにリニューアルされたばかり。他にも多数の作曲家の作品を取り扱っています。新規レパートリーの開拓にご活用ください。


ダグラス・J・クオモ(1958年生まれ)は、演奏会用作品、演劇的舞台作品、テレビ番組や映画のための作品の作曲を手掛けてきた。彼の表現豊かな言葉遣い、中でも類稀な音と様式の並べ方は、彼の多様な生い立ちと音楽教育からすれば当然の結果だろう。彼は10代のうちにプロフェッショナルなギタリストとなり、ジャズ、ワールド・ミュージック、民俗音楽学をコネチカット州ウェズリヤン大学で勉強しながら、長年ジャズ、ポップス、ファンクのバンドとして活動、ツアーを行ってきた。

クオモは、OPERA Americaや全米芸術基金により多数の助成金や賞を受賞している。近年初演された作品には、マヤ・ベイザーをソリストに迎えアメリカン・コンポーザーズ・オーケストラによりカーネギー・ホールで初演されたチェロとサンプラーとための二重協奏曲《Black Diamond Express Train to Hell》(2010)、BAMネクストウェーブ・フェスティバルで上演され高い評価を得ている室内オペラ《Arjuna's Dilemma》(2008)、マヤ・ベイザーより委嘱・初演された《Only Breath》(2008)、シャンティクリアより委嘱・初演された 《Kyrie》(2007)、ニューヨーク市ヤング・ピープルズ・コーラス より委嘱・初演された《Fortune》(2007)と《What You Can Do For The World》(2018)などがある。テレビ番組や映画のために作曲された作品には、「セックス・アンド・ザ・シティ」(HBO)、「ナウ・ウィズ・ビル・モイヤーズ」(PBS)や「ワイド・アングル」(PBS)のテーマ曲、「ホミサイド/殺人捜査課」のサウンドトラックなどが挙げられる。クオモのオペラ作品《Doubt》は、台本作者でもあるジョン・パトリック・シャンリィ原作の演劇作品に基づき、2013年1月にミネソタ・オペラにて、クリストファー・フランクリン指揮、ケヴィン・ニューベリー演出、歌手陣にマシュー・ワース、クリスティーン・ブリュワー、アドリアナ・ザバラとデニス・グレーヴスを迎えて、初演が行われた。昨シーズン、American Opera Projects(AOP)とパートナーシップを組み、ピッツバーグ・オペラにより初演されたダグラス・J・クオモの《Savage Winter》は、テノール・ソロによるドラマチックなモノローグと3人の楽器奏者のために作曲された苦悩に満ちた失恋の物語である。今年BAMにてニューヨーク初演されたこのモノドラマは、フランツ・シューベルトが《冬の旅》に使用したとしてよく知られるヴィルヘルム・ミュラーの24の連作詩集に基づいているが、時代設定は完全に今日に置き換えられている。

クオモの音楽作品は、ショット・ヘリコン・ミュージック Schott Helicon Music により独占的に出版されている。


ニューヨーク・タイムズ紙により「魅力的・印象的で才覚があり・・・深い思考にあふれている」と賞賛されるハンナ・ラッシュ(1981年生まれ)の作品は、カーネギー・ホール、ウォルト・ディズニ―・コンサートホール(ロサンゼルス)、リンカーン・センター、タイムズ・センター(マンハッタン)、シカゴ美術館、タングルウッド音楽センター、アスペン音楽祭など数々の主要会場にて演奏されている。これまでにラッシュは、モートン・グールド若手作曲家アワード(ASCAP) 、アメリカ文学芸術アカデミーよりチャールズ・アイヴズ奨励金(2011)とフェローシップ(2016)、フロム財団による委嘱、チェンバー・ミュージック・アメリカ・クラシック委嘱奨励金、ヤドー芸術家村フェローシップ、Naumburg賞作曲部門、バーナード・アンド・ローズ・セルノフスキー賞作曲部門を含め、数多の栄誉や賞に輝き、学術的な賞も授与されている。

2016年、コロンビア大学のミラー劇場で開催されたコンポーザー・ポートレート・コンサートでは、リサ・ムーア(ピアノ)のために委嘱された《Six Etudes and a Dream》とニューヨークを拠点とするニュー・ミュージック・アンサンブル、ロードバングのために委嘱された《Music for Eight Lungs》などの作品が演奏された。2017−2018年シーズンでは、ジェレミー・デンクとセントポール室内管弦楽団による《ピアノ協奏曲第1番「飛翔の追求」》の初演が行われたほか、 アトランティック・クラシカル管弦楽団によるオーケストラのための《Facets of Motion》の演奏、ミュージック・アカデミー・オブ・ザ・ウェストでの《Music for Nine, Ringing》の演奏などが挙げられる。今シーズンには、カーネギー・ホール委嘱の連作歌曲集《Songs of Imagined Love》がポール・アップルビーとナタリア・カチュコヴァにより初演された。

現在、ラッシュは、2019年に初演が予定されている新作の室内オペラ作品と2台のハープとオーケストラのための協奏曲に取り掛かっているほか、イェール大学音楽学部作曲科教員を務めており、彼女の作品は独占的にショット・ミュージックにより出版されている。

アンドリュー・ノーマン(1979年生まれ)は同世代の中でも最も説得力のある作曲家の一人として、近年頭角を現している。彼の交響的作品はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ミネソタ管弦楽団、BBC交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、そしてフランス国立管弦楽団 などを含む世界有数のアンサンブルに演奏されている。アンドリュー・ノーマンの音楽はマリン・オールソップ、グスターボ・ドゥダメル、サイモン・ラトル、デイヴィッド・ロバートソンやジョン・アダムスを含むクラシック音楽界の著名な指揮者に支持されてきた。

アンドリュー・ノーマンの大規模なオーケストラのための作品《Play》は2017年度グロマイヤー賞作曲部門を受賞、2015年にはNPRのトップ50アルバムに名を挙げられ、グラミー賞にもノミネートされている。ノーマン作曲の弦楽トリオ《The Companion Guide to Rome》は、2012年度ピューリッツァー賞音楽部門の最終候補作品となった。ノーマンは、Jacob Druckman賞、ASCAP Nissim賞やLeo Kaplan賞、ローマ賞とベルリン賞、そしてグッゲンハイム・フェローシップの受賞者でもある。彼はボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクトとオペラ・フィラデルフィアのレジデント・コンポーザーを務めたこともあり、現在はロサンゼルス室内管弦楽団にて同ポストに就任。現在、南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校の教員のほか、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団主催、若い作曲家のためのBarry and Nancy Sanders Composer Fellowship Programの音楽監督も務めている。

近年アンドリュー・ノーマンは、エマニュエル・アックスのために作曲された《Suspend》とジェフリー・カハネのために作曲された《Split》の2つのピアノ協奏曲に加え、コリン・カリーのために作曲された打楽器協奏曲《Switch》も完成させた。最近のプロジェクトとしては、ジェレミー・デンク、ジェニファー・コー、そしてエイト・ブラックバードとのコラボレーションなどが挙げられる。サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とロンドン交響楽団により初演された《A Trip to the Moon》はあるゆる世代に向けられた作品であり、近年ではテディ・アブラムス率いるロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団により、 グラント・ガーション合唱監督、そしてユヴァル・シャロンの舞台演出のもと、アメリカ初演が行われた。今シーズン、グスターボ・ドゥダメル指揮、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団に初演されたアンドリュー・ノーマンの《Sustain》は、「革新的・・・ブレイクスルー」(ロサンゼルス・タイムズ紙)、「崇高」(ニューヨーク・タイムズ紙)などと高い評価を得ている。

近年アンドリュー・ノーマンは、エマニュエル・アックスのために作曲された《Suspend》とジェフリー・カハネのために作曲された《Split》の2つのピアノ協奏曲に加え、コリン・カリーのために作曲された打楽器協奏曲《Switch》も完成させた。最近のプロジェクトとしては、ジェレミー・デンク、ジェニファー・コー、そしてエイト・ブラックバードとのコラボレーションなどが挙げられる。サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とロンドン交響楽団により初演された《A Trip to the Moon》はあるゆる世代に向けられた作品であり、近年ではテディ・アブラムス率いるロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団により、 グラント・ガーション合唱監督、そしてユヴァル・シャロンの舞台演出のもと、アメリカ初演が行われた。今シーズン、グスターボ・ドゥダメル指揮、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団に初演されたアンドリュー・ノーマンの《Sustain》は、「革新的・・・ブレイクスルー」(ロサンゼルス・タイムズ紙)、「崇高」(ニューヨーク・タイムズ紙)などと高い評価を得ている。

ノーマンは現在カリフォルニア州ロサンゼルス市に在住、作品は独占的にショット・ミュージックより出版されている。


「現代音楽において最もエキサイティングな声を持つ作曲家の一人」(ザ・ワイヤー紙)と絶賛されるレイ・リャン(1972年生まれ)は中国生まれのアメリカ人作曲家であり、彼の作品はニューヨーク・タイムズ紙には「長く記憶に残るほど美しく、音響的に色彩豊か」と、ワシントン・ポスト紙には「類い稀な才能を持ち、際立って独創的、議論の余地なく美しい」と称されている。2011年度ローマ賞を受賞したレイ・リャンは、グッゲンハイム・フェローシップ受賞者であると同時にアーロン・コープランド賞、クーセヴィツキー財団による委嘱、及び Creative Capital賞も授与されている。サクソフォンとオーケストラのための協奏曲《Xiaoxiang》は2015年度ピュリッツァー賞音楽部門の最終候補作品に選ばれた。

ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団とアラン・ギルバートの委嘱による現代音楽シリーズ「CONTACT!」のオープニングのための作品をはじめ、台北市立国楽団、ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト、バークリー交響楽団、ハイデルベルク・フィルハーモニー管弦楽団、タイ・フィルハーモニック管弦楽団などを含む多数のオーケストラにより作品を委嘱されている。彼の作品の録音は、ナクソス、モード、ニューワールド、ブリッジ、イノーバやテラークなどのレーベルによりリリースされている。さらにリャンは、学者としても伝統的なアジア音楽の研究と保護を積極的に行っている。

近年初演された作品には、マーク・ドレッサーとスティーヴン・シック率いるサンフランシスコ・コンテンポラリー・ミュージック・プレイヤーズによるコントラバス・ソロとアンサンブルのための《Luminous》、フォルモサ四重奏団による《Song Recollections》、サード・コースト・パーカッション及びボストン音楽院・マンハッタン音楽院委嘱によるピアノと打楽器四重奏のための《Inkscape》 、そして4幕からなる共同室内オペラ「Cuatro Corridos」の中の1幕《Rose》などが含まれる。2016−2017年シーズンには、ミリアド・トリオにより《Petal by Petal, Leaf by Leaf》 が初演され、この作品はコロンビア大学のミラー劇場で開催されたコンポーザー・ポートレート・シリーズでも取り上げられた。2017−2018年シーズンには、セス・ノップ率いるイエロー・バーン音楽祭の音楽家たちによりリャンの様々な異なる編成のため《Garden Series》が演奏されたほか、高い評価を受けるZOFOデュエット(ピアノ二重奏)により委嘱された《Will you come to my dream?》の演奏、ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト(BMOP)によりボストンのジョーダン・ホールで行われた《Thousand Mountains, A Million Stream》の世界初演(BMOPのサイトから試聴可→音源リンク)などが挙げられる。今年には、リャン作曲、スーザン・ナルッキ委嘱・プロデュースのマルチメディア室内オペラ《Inheritance》が、カリフォルニア大学サン・ディエゴ校で世界初演された。レイ・リャンは現在、カリフォルニア大学サン・ディエゴ校にて教授を務めるほか、同大学のQualcomm Instituteにて第一リサーチ・アーティスト・イン・レジデンスに任命され、音楽、科学とテクノロジーの拡大する関係性について研究を続けている。

リャンの作品は、独占的にショット・ミュージック・コーポ―レーション Schott Music Corporation(ニューヨーク)より出版されている。