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小出稚子《寿老人 福禄寿》世界初演

2019年 3月 29日付

Noriko Koide / 小出稚子

4月24日、杉並公会堂小ホールで、小出稚子の新作《寿老人 福禄寿》が松平敬(バリトン)と橋本晋哉(セルパン)の低音デュオによって世界初演される。低音デュオは2006年に結成されたバリトンとチューバによる現代音楽ユニットで、毎回意欲的なプログラムを組んでいる。

小出稚子の音楽はいずれも、ユーモアを交えた多彩な題材から自由に発想を膨らませて作られたものが多く、今回の新作も目のつけどころが面白い。バリトンとセルパンのための《寿老人 福禄寿》は、小出がこれまで手がけてきた七福神シリーズ(《恵比寿》《布袋》《大黒》)の4作目にあたる。この作品の音楽的なアイデアは、長寿をさずける神の寿老人と福禄寿それぞれが伴う「鹿」と「鶴」にちなんだものである。小出はそこから、尺八古典本曲の代表的な名作として知られる「鹿の遠音」を寿老人=バリトンに、「鶴の巣籠」を福禄寿=セルパンになぞらえて、各々のフレーズを引用したと述べている。演奏の間に見られるという二人の奏者の身振りも合わせて、低音デュオのパフォーマンスに期待が高まる。

同演奏会ではこの他に、山根明希子《水玉コレクションNo.12》(2011)や2人の女性作曲家、桑原ゆう、福井とも子の委嘱新作ほかが演奏される。

小出稚子
寿老人 福禄寿
バリトンとセルパンのための
Noriko Koide: Juroujin Fukurokujyu for baritone and serpent
世界初演
2019年4月24日[水]19:00 杉並公会堂 小ホール
松平敬(バリトン、声)、橋本晋哉(セルパン)
https://pbs.twimg.com/media/DyN4WM2U8AABcli.jpg