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細川俊夫の新作
《蓮の花 ?ロベルト・シューマンへのオマージュ?》世界初演

2006年 4月20日付

細川俊夫の混声合唱と打楽器のための《蓮の花 ?ロベルト・シューマンへのオマージュ?》が5月14日、ケルンのフンクハウス・ヴァルラーフプラッツで、中村功の打楽器、ルーペルト・フーバー指揮WDR放送合唱団によって世界初演される。この作品は細川俊夫が現在コンポーザー・イン・レジデンスをつとめる同合唱団の委嘱により、シューマンの没後150年にちなんで作曲された。テキストはハインリヒ・ハイネの同名の詩による。4月に北ドイツ放送交響楽団により世界初演されたピアノとオーケストラのための《月夜の蓮?モーツァルトへのオマージュ?》と対をなす作品でもある。
 同日の演奏会では、新作のほか、打楽器のための《線VI》や弦楽四重奏のための《沈黙の花》もあわせて演奏される。

「私が最も愛するドイツ歌曲のひとつに、シューマンの歌曲集『ミルテの花』があり、とりわけその中のハイネの詩による《蓮の花(Die Lotosblume)》は私を魅惑する。ハーモニーの微妙な変化が、月光と蓮の花との対話を見事に表現している。(中略)
 私の音楽を形成する本質的な考え方に、タオイズムの陰陽の考え方がある。陰と陽、影と光、男と女、強と弱、高と低という対立的なエネルギーが、互いを殺しあうことなく交じり合い、そこから万物が生成されていく。私のこの音楽でも、男性と女性の声が、最初はひとつの音から生まれ、次第に大きな対立的な世界に変化しつつも、お互いがお互いを補完しつつ、危険なハーモニーを創り出していく。月光とその影が、互いに寄り添って、離れないように。」
(作曲者によるプログラム・ノートより)

演奏会の詳細(WDRのウェブサイト):
http://www.wdr.de/radio/orchester/rundfunkchor_02/chor_detail.phtml?unid=152