コンポージアム2012ー細川俊夫を迎えてー
5月下旬、東京オペラシティの「コンポージアム2012」で、細川俊夫が特集されます。
この東京オペラシティの同時代音楽企画では、ただ一人の作曲家が審査員をつとめる「武満徹作曲賞」と、特集作曲家としてその年の審査員の個展演奏会が開催。1997年のアンリ・デュティユーから始まり、ジェルジ・リゲティ(1998)、ルチアーノ・ベリオ(1999)、湯浅譲二(2002)、マグヌス・リンドベルイ(2004)、スティーヴ・ライヒ(2008)、ヘルムート・ラッヘンマン(2009)、サルヴァトーレ・シャリーノ(2011)といった世界に名だたる作曲家たちがこれまでに登場しています。
コンポージアム2012のメインとなる演奏会「細川俊夫の音楽」は、5月24日コンサートホール「タケミツメモリアル」において開催され、スイスの製薬会社ロシュ委嘱、ルツェルン音楽祭で世界初演のオーケストラ作品《夢を織る》と、マーラー・チェンバー・オーケストラの委嘱によるオラトリオ《星のない夜?四季へのレクイエム?》が、いずれも日本初演されます。演奏は準・メルクル指揮のNHK交響楽団。オラトリオの独唱は、ソプラノが、オペラ《班女》の花子役が絶賛された半田美和子、メゾ・ソプラノは《星のない夜》初演者の一人でもある藤村実穂子。合唱は東京音楽大学合唱団。
前奏曲のように配置された2つの小品《光に満ちた息のように》《さくら?オットー・トーメック博士の80歳の誕生日に?》の笙独奏は、この楽器の世界的第一人者である宮田まゆみです。
また関連公演として、5月20日には室内楽を集めたコンサート「細川俊夫ポートレート〈細川俊夫 講演と室内楽コンサート〉」が同リサイタルホールで開催され、1986年から2009年までの代表的な9つの室内楽、器楽作品が、細川作品を知り尽くしている演奏家たちによって演奏されます。作曲家による講演「自作を語る」も聞き逃せません。
また、「武満徹作曲賞本選演奏会」は、5月27日に行われます。応募された90作品の中から、細川の譜面審査で選ばれた4作品が演奏され、演奏会終了後、細川によって受賞者が発表されます。
写真:c Kaz Ishikawa
■ 演奏会と作品情報:
細川俊夫ポートレート〈細川俊夫 講演と室内楽コンサート〉
5月20日(日)15:00開演 東京オペラシティ リサイタルホール
- 《鳥たちへの断章 III》笙とフルート(バス・フルート、ピッコロ)のための
- (当日は《鳥たちへの断章IIIb》として笙とリコーダーによる演奏)
- 《ピエール・ブーレーズのための俳句?75歳の誕生日に?》ピアノのための
- 《沈黙の花》弦楽四重奏のための
- 《ランドスケープ V》笙と弦楽四重奏のための
- 《ゲジーネ》ハープのための
- 《時の花?オリヴィエ・メシアンへのオマージュ?》クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための
細川俊夫の音楽
5月24日(木)19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール「タケミツメモリアル」
- 《光に満ちた息のように》笙のための
Naxos Music Libraryで試聴 - 《夢を織る》オーケストラのための
- 《さくら?オットー・トーメック博士の80歳の誕生日に?》笙のための
- 《星のない夜?四季へのレクイエム?》ソプラノ、メゾ・ソプラノ、2人の語り手、混声合唱とオーケストラのための
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