細川俊夫《エチュード II》世界初演
©Kaz Ishikawa
細川俊夫の新作、ピアノのための《エチュード II―点と線―》が2月8日、電気文化会館(名古屋)で小菅優のピアノ独奏により世界初演されます。この作品は細川が現在作曲中であるピアノのための《エチュード》シリーズ(全6曲)の第2曲で、シリーズ第1曲にあたる《エチュード I―2つの線―》も共にプログラミングされています。シリーズとしての面白さ、各曲の性格の違いを若手実力派のピアノでじっくりと楽しめる機会となりそうです。
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細川俊夫
エチュード II ―点と線―
ピアノのための
委嘱:中電不動産株式会社
演奏時間:約7分
《エチュード I》では、二つの線が、それぞれ毛筆のカリグラフィーの線のような運動性を持ち、その二つが陰と陽のように絡み合い、音のコスモスを生み出していく。それに対して《エチュードII》は、本来線的な形態を持ったもの、二つの線(メロディー)を解体して、それを点として提示する。その点は、装飾音を持ちながら、あたかも線香花火が一つの中心から静かにその周辺に破裂して点滅するように、音のコスモスが形成される。その点の元々の線は、自由なカノンのように、時間を様々にずらして重奏されていく。
そうした点的な部分と、線的なメロディーが静かに余韻として重なり合い、ハーモニーを形成していく部分が、交互に提示される。
夜の闇に静かに破裂する線香花火のような孤独な音たち。
中電不動産株式会社の委嘱作品で、初演者の小菅優に捧げる。
細川俊夫
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“ピアニスト,ピアニズム” Vol. 10 小菅優 ピアノ・リサイタル
2013年2月8日(金)19:00開演
電気文化会館 コンサートホール
http://www.chudenfudosan.co.jp/bunka/denbun/topics/detail/8534
小菅優(ピアノ)
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