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『雲と光』 ネーデルラント室内管弦楽団が細川俊夫を特集

2013年 10月 1日付

photo by Kaz Ishikawa

ネーデルラント室内管弦楽団が10月26日、細川俊夫の作品を特集するコンサートを行います。アムステルダムのミュージックヘボウ・アアン・ヘット・アイにて。

音楽における西洋と東洋の出会いをテーマとしたこのコンサートでは、日本の伝統的美学や思想を背景に、西洋音楽の手法をもって新しい音楽世界を追求する細川の創作が、笙とオーケストラのための《雲と光》や、オーケストラのための《開花 II》といった近作を通じて紹介されます。プログラムでは、J・S・バッハによるヴァイオリン協奏曲が細川作品と並んで配置されており、協奏曲様式における笙とヴァイオリンの対比も聴きどころの1つとなるでしょう。

細川は自作を指揮、《雲と光》では細川の重要なコラボレーターであり、日本を代表する笙奏者として世界的に知られる宮田まゆみをソリストに迎えます。ヴァイオリン協奏曲では同室内管弦楽団のコンサートマスターであるゴルダン・ニコリックがソリストを務めます。

加えてこのコンサートでは、アムステルダム在住の美術家ノーマン・ペリーマン*によるライヴ・キネティック・ペインティングが行われます。今回、細川の音楽がどのように視覚化され、コンサート空間がどのような変容を遂げるのかも、大きな見どころでしょう。

細川はネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団2013/2014シーズンのコンポーザー・イン・レジデンスに就任しており、来年4月にはマルク・アルブレヒト指揮のもと、オーケストラのための《循環する海》(2005)の演奏が予定されています。


*ノーマン・ペリーマン:音楽の演奏と同時進行で絵を描き、その絵をライヴ・プロジェクションするというユニークな手法で、40年近くにわたって活動を続けているアーティスト。これまでにロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ラトル指揮バーミンガム市交響楽団といった数々のオーケストラや、ピエール=ローラン・エマール、ルチアーノ・パヴァロッティ、ラヴィ・シャンカールといった演奏家と共演。近作に、武満《フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム》、ムソルグスキー/ラヴェル《展覧会の絵》、ストラヴィンスキー《兵士の物語》、スクリャービン《法悦の詩》など。



ネーデルラント室内管弦楽団
『雲と光』
2013年10月26日(土)20:15開演 ミュージックヘボウ・アアン・ヘット・アイ

細川俊夫《雲と光》笙とオーケストラのための(2008)
細川俊夫《開花 》オーケストラのための(2011)
細川俊夫《冥想 ?311日の津波の犠牲者に捧げる?》オーケストラのための(2012)
J・S・バッハ《ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調》
J・S・バッハ《ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調》
J・S・バッハ《 2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調》

細川俊夫(指揮)
宮田まゆみ(笙)
ゴルダン・ニコリック(ヴァイオリン)
Lisanne Soeterbroek(ヴァイオリン)
ネーデルラント室内管弦楽団
ノーマン・ペリーマン(キネティック・ペインティング)
http://www.muziekgebouw.nl/agenda/Concerten/2801/Nederlands_Kamerorkest/Cloud_and_Light/