細川俊夫《3つの天使の歌》と《3つの日本民謡》初演 サンティアゴ・デ・コンポステーラ『son[UT]opias 2014』
© David Samyn
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で7月29日から3日間にわたって催される『son[UT]opias 2014』において、作曲家・細川俊夫のポートレイト・コンサートが行われます。新作《3つの天使の歌》と《3つの日本民謡》初演のほか、独奏作品からオーケストラ作品までの幅広いプログラムを通じて、西欧の音楽語法のなかで日本そして東洋の伝統的思想と音の世界を探求する細川の創作が特集されます。
今回が世界初演となる、ソプラノとハープのための《3つの天使の歌》(2014)は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学 campUSCulturae と、ベルギーのコンセルトヘボウ・ブルージュの共同委嘱により作曲されました。作品は、コンセルトヘボウ・ブルージュ内に描かれた壁画『天使』(リュック・タイマンス画)からインスピレーションを得ており、〈I. 祈り〉(詞:エルゼ・ラスカー=シューラー)、〈II. 天使からの挨拶〉(詞:ゲルショム・ショーレム)、〈III. 逃避〉(詞:エルゼ・ラスカー=シューラー)の3曲から成っています。もうひとつの新作、声とハープのための《3つの日本民謡》(2014)は、〈I. 黒田節〉〈II. 南部牛追歌〉〈III. 五木の子守歌〉から成る編曲作品。いずれも演奏は、角田祐子(ソプラノ)と吉野直子(ハープ)。
『son[UT]opias 2014』では、アンサンブル・イン・レジデンスである Vertixe Sonora Ensemble に加え、角田祐子、吉野直子、Real Filharmonia de Galicia が演奏家として招かれるほか、細川を迎えてのレクチャーやマスタークラスなどが開かれます。
《3つの日本民謡》のうち〈I. 黒田節〉と〈III. 五木の子守歌〉の2曲は、『son[UT]opias 2014』での全曲初演に先立ち、6月21日、東京のサントリーホールで半田美和子(ソプラノ)と吉野直子によって初演されます。また10月には、コンセルトヘボウ・ブルージュにおいても細川作品を大きく特集するコンサート・シリーズが催されます
son[UT]opias 2014
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学(スペイン)
http://www.campusculturae.com/en/events/sonutopias-2014
- 2014年7月29日
- 《ヴァルターのために ─弧のうた II─》ソプラノ・サクソフォンとピアノ、任意の打楽器のための
- 《リート》フルートとピアノのための
- 《エチュード I, II》ピアノのための Vertixe Sonora Ensemble
- 2014年7月30日
- 《冥想 ─3月11日の津波の犠牲者に捧げる─》オーケストラのための
- 《月夜の蓮 ─モーツァルトへのオマージュ─》ピアノとオーケストラのための 武部はる奈(ピアノ) Real Filharmonia de Galicia
- 2014年7月31日
- 《3つの天使の歌》ソプラノとハープのための[世界初演]
- 《3つの日本民謡》声とハープのための[全曲版世界初演]
- 《ゲジーネ》ハープのための
- 《恋歌 I》ソプラノとハープのための 角田祐子(ソプラノ) 吉野直子(ハープ)
サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン
ENJOY! ウィークエンド Vol.6
2014年6月21日(土) 14:30 サントリーホール ブルーローズ
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20140621_S_2.html
- 《3つの日本民謡》声とハープのための[部分初演]
- 〈I. 黒田節〉
- 〈III. 五木の子守歌〉 半田美和子(ソプラノ) 吉野直子(ハープ)