クラウド・ゲイト『Water Stains on the Wall』欧州公演 細川俊夫の音楽によるダンス作品
Water Stains on the Wall
Performed by Cloud Gate Dance Theatre of Taiwan
Photo by LIU Chen-hsiang
振付家・リン・フアイミン(林懐民)率いる台湾のダンスカンパニー、クラウド・ゲイト・ダンス・シアター(雲門舞集)が、細川俊夫の音楽によって制作したダンス作品『Water Stains on the Wall』のツアー公演が、3月11日ジュネーヴを皮切りに欧州5箇所で行われます。
『Water Stains on the Wall』の初演は、2010年・台北。これまでにニューヨーク、シンガポール、ヴォルフスブルク、テルアビブ、アデレードなどで上演されており、カンパニーの名とともに各地で高く評価されている作品です。中国の「書」(カリグラフィー)における美と技法が身体的な抽象表現へと昇華されたこの作品では、自身の音楽を「空間と時間へのカリグラフィー」と表現する細川と、リンの美学的な親和性をみることができるでしょう。題は、中国の草書において美学的に最上の状態を暗示する「屋漏痕」―唐代の書家、懐素と顔真卿による伝説上の会話に現れる―からとられています。
音楽はすべて細川作曲によるもの。約70分の上演時間内で、笙のための《光に満ちた息のように》(2002)、声明と雅楽アンサンブルのための《観想の種子》(1986)、尺八、箏、三絃のための《断章 I》(1988)、打楽器のための《線 VI》(1993)、バス・フルートのための《息の歌》(1997)、オーケストラのための《遠景 II》(1996)、の6曲が使用されています。
Water Stains on the Wall ― 屋漏痕
Cloud Gate Dance Theatre of Taiwan
原案/セット/振付:林懐民
音楽:細川俊夫
3月11〜14日(4回公演)|Grand Théâtre de Genève(ジュネーヴ)
3月20日(1回公演)|Festspielhaus Bregentz(ブレゲンツ)
3月24日(1回公演)|Staatstheater Darmstadt(ダルムシュタット)
3月27〜28日(2回公演)|Les Théâtres de la Ville de Luxembourg(ルクセンブルク)
4月4日(1回公演)|Staatsoper Hannover(ハノーファー)