京響と関西フィルが欧州公演 武満・細川作品などを演奏
Takemitsu, photo: Schott Music Co. Ltd., Tokyo / Hosokawa, photo by Kaz Ishikawa
京都市交響楽団と関西フィルハーモニー管弦楽団が、5月末から6月にかけて欧州各地を巡り、武満徹と細川俊夫の作品を含むプログラムで公演を行います。
広上淳一指揮京響は、6月3日プルゼニ(チェコ)公演を皮切りに、5日ケルン(ドイツ)、7日アムステルダム(オランダ)、9日フィレンツェ(イタリア)の4都市で、武満作曲による《3つの映画音楽》《ノヴェンバー・ステップス》、細川作曲による独唱とオーケストラのための《嘆き》などを演奏します。
《嘆き》は2013年ザルツブルク音楽祭による委嘱作品。ゲオルク・トラークルのドイツ語の詩を基にソプラノとオーケストラのために作曲され、同音楽祭でアンナ・プロハスカ(ソプラノ)とデュトワ指揮NHK交響楽団が世界初演を行いました。今回メゾ・ソプラノとオーケストラのために新たなバージョンが作曲され、バイロイト音楽祭はじめ各国の一流歌劇場で活躍する藤村実穂子がソリストを務めます。同作品は5月27日に京都コンサートホールで行われる壮行演奏会において初演される予定です。
オーギュスタン・デュメイ指揮関西フィルは、5月30日デュッセルドルフ公演と6月4日ヴュルツブルク公演で細川作曲《月夜の蓮―モーツァルトへのオマージュ―》(2006)を演奏します。この作品は、2006年のモーツァルト生誕250周年に北ドイツ放送による委嘱を受けて
、ピアノ独奏とオーケストラのために作曲されました。モーツァルトへのオマージュでもある本作は、ヴュルツブルクの『モーツァルト音楽祭』の一環として開かれるこのコンサートにふさわしいプログラムといえるでしょう。デュッセルドルフ公演では2006年に準・メルクル指揮北ドイツ放送交響楽団とともに世界初演を行った児玉桃(ピアノ)が、ヴュルツブルク公演では広瀬悦子(ピアノ)が、それぞれソリストを務めます。
加えてモーツァルト音楽祭では6月12日、同音楽祭の委嘱による細川の新作、ヴァイオリンと弦楽オーケストラのため《悲歌―エレジー》(2015)の世界初演が行われます。演奏はルノー・カピュソン(ヴァイオリン)とラハブ・シャニ指揮バンベルク交響楽団。
京都市交響楽団 ヨーロッパ公演
指揮:広上淳一
2015年5月27日|京都コンサートホール(壮行演奏会)
2015年6月3日|プルゼニ市公会堂
2015年6月5日|ケルン・フィルハーモニー
2015年6月7日|アムステルダム・コンセルトヘボウ
2015年6月9日|オペラ・ディ・フィレンツェ
関西フィルハーモニー管弦楽団 ヨーロッパ公演
指揮:オーギュスタン・デュメイ
2015年5月29日|ピエール・ジアナダ財団美術館内(マルティニ)
2015年5月30日|トーンハレ(デュッセルドルフ)
2015年6月1日|テアトロ・ドニゼッティ(ベルガモ)
2015年6月2日|テアトロ・グランデ(ブレシア)
2015年6月4日|ヴュルツブルグ・レジデンツ カイザーザール