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細川俊夫 オペラ《海、静かな海》 1月にハンブルクで世界初演

2015年 12月 1日付

© Kaz ishikawa


細川俊夫の新作オペラ《海、静かな海 Stilles Meer》の世界初演が、ドイツのハンブルク州立歌劇場で新年1月24日から始まる。近年、とくに人と自然の関わりに着目し、祈り・鎮魂としての音楽を数多く作曲している細川。世界各地で再演が重ねられている《班女》《松風》に次ぐ細川の新しいオペラは、東日本大震災と原発事故後の福島を舞台に、犠牲者の鎮魂、そして被災地に留まる人々の心を描く。

海、静かな海》(2015)は、平田オリザが書きおろした日本語の脚本(ドイツ語翻訳:ドロテア・ガストナー)を基に、《松風》と同じくハンナ・デュブゲンがリブレットを制作、細川が作曲した1幕5場のオペラ。日本人と結婚し、バレエ教師として福島で暮らしていたドイツ人女性クラウディアは、2011年3月11日の津波によって最愛の夫と子を亡くす。原発事故後、夫の姉ハルコは彼女にドイツへ帰国するよう勧め、またクラウディアの元恋人シュテファンも彼女を祖国に連れて帰ろうとするが、それでも彼女は被災地に留まる。

ハンブルク州立歌劇場で制作が行われる世界初演では、平田オリザが演出を担当、ケント・ナガノが指揮を務める。クラディア役(ソプラノ)は、今年11月に行われた細川《嵐のあとに》初演のソリストとしても記憶に新しいスザンヌ・エルマーク。さらに細川作品に縁のある藤村実穂子(ハルコ役/メゾソプラノ)やマレク・ガセツェッキ(漁師役/バリトン)、そしてベジュン・メータ(シュテファン役/カウンター・テナー)ら、一流歌手が出演する。



細川俊夫
海、静かな海
オペラ(1幕5場)

2011年3月11日の犠牲者に捧げる

原作(日本語):平田オリザ
ドイツ語翻訳:ドロテア・ガストナー
オペラ台本:ハンナ・デュブゲン
委嘱:ハンブルク州立歌劇場

世界初演
2016年1月24日・27日・30日・2月9日・13日|ハンブルク州立歌劇場(ドイツ)

制作:ハンブルク州立歌劇場
指揮:ケント・ナガノ
演出:平田オリザ
舞台美術:杉山至
衣装:正金彩
照明:Daniel Levy
ドラマトゥルク:Janina Zell

出演:
クラウディア(ソプラノ):スザンヌ・エルマーク
ハルコ(メゾソプラノ):藤村実穂子
シュテファン(カウンター・テナー):ベジュン・メータ
ヒロト(テノール):Viktor Rud
漁師サカモトタロウ(バリトン):マレク・ガセツェッキ
ハンブルク・フィルハーモニカー
合唱:Vokalsolisten Hamburg