新刊楽譜 湯浅譲二《芭蕉の句による四つの心象風景》ヴァイオリンとピアノのための
2016年 7月27日付
photo by Jun'ichi Ishizuka
湯浅譲二作曲、ヴァイオリンとピアノのための《芭蕉の句による四つの心象風景》(2007-10)の演奏用楽譜が、ショット・ミュージックの新刊楽譜として発売された。
《芭蕉の句による四つの心象風景》は静岡音楽館AOIの委嘱によって作曲され、独立して演奏可能な4つの小品から成る。最初に作曲された3曲〈春(ほろほろと 山吹散るか 滝の音)〉〈夏(夏草や 兵どもが 夢の跡)〉〈秋(菊の香や 奈良には 古き仏たち)〉は、2007年3月9日に堀米ゆず子と児玉桃によって、後に作曲された〈冬(櫓の声 波ヲ打って 腸氷ル夜や涙)〉は2011年1月14日に漆原啓子と練木繁夫によって、それぞれ初演が行われた。2011年3月13日には、高橋比佐子と佐々木京子が4曲全ての演奏を行っている。
湯浅は各曲について、〈春〉と〈秋〉は句から読みとれる世界そのものと言えるが、〈夏〉は詠人・芭蕉の思いを忖度しながら書いた曲であるとしている。また〈冬〉では、芭蕉が帰依していた禅の精神を句から読みとり、「厳しく冷たい音楽」を目指したと述べている。演奏時間は次の通り:〈I. 冬〉5分/〈II. 春〉4分/〈III. 夏〉4分/〈IV. 秋〉3分。
湯浅譲二
芭蕉の句による四つの心象風景
ヴァイオリンとピアノのための
Joji Yuasa: Four Imaginary Landscapes from Bashô for violin and piano
スコア(28ページ)+パート譜セット |