細川俊夫:モノドラマ《大鴉》イタリア初演 杉山洋一指揮、ルカ・ヴェジェッティ演出
© Kaz ishikawa
細川俊夫作曲のモノドラマ《大鴉》のイタリア初演が、3月3日にコムナーレ歌劇場(ボルツァーノ)で、杉山洋一指揮、ルカ・ヴェジェッティ演出による上演形式で行われる。独唱のアビゲイル・フィッシャー(メゾ・ソプラノ)とボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団の演奏による。
メゾ・ソプラノと12人の奏者のためのモノドラマ《大鴉 The Raven》(2011-12)は、ユナイテッド・インストゥルメンツ・オブ・ルシリンによる委嘱のもと、エドガー・アラン・ポーによる同名の詩をテクストとして作曲された約50分のモノドラマだ。2012年にベルギーの音楽祭「アルス・ムジカ」においてコンサート形式の世界初演が行われて以来、これまでコンサート形式、あるいは演出付きで、ルクセンブルク、オランダ、スイス、フランス、アメリカ、日本、フィンランド、スロバキアで演奏されてきた。
作品について細川は、理性的、近代的世界への「狂気、自然」といった異世界の侵入として原詩を読み解いたうえで、メゾ・ソプラノの独唱には理性を崩壊させていく近代人であると同時に、2つの世界の交感を可能とするシャーマンとしての役割を与えたと述べている。
演出は、《大鴉》アメリカ初演(2014年5月・ニューヨーク)ならびに、細川の代表作であるオペラ《班女》日本初演(2009年・東京)や、オペラ処女作《リアの物語》(1997-98)の新演出(2015年・広島)を手がけたルカ・ヴェジェッティによる。ニューヨークのプロダクションと同様、ダンサーを起用する演出は今回も健在ながら、前プロダクションを基にした新たな演出になるとヴェジェッティは語る。
細川俊夫
大鴉
メゾ・ソプラノと12人の奏者のためのモノドラマ
Toshio Hosokawa: The Raven – Monodrama for mezzo-soprano and 12 players
イタリア初演
2017年3月3日[金]20:00・5日[日]18:00 コムナーレ歌劇場(イタリア、ボルツァーノ)
音楽監督・指揮 :杉山洋一
演出:ルカ・ヴェジェッティ
舞台・照明:クリフトン・テイラー
アビゲイル・フィッシャー(メゾ・ソプラノ)
ボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団
アリス・ラフェエッリ(ダンス)
http://www.teatrocomunale.bolzano.it/event/the-raven/