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デイヴィッド・マスランカ逝去

2017年 8月10日付

作曲家デイヴィッド・マスランカ(David Maslanka)が8月6日、モンタナ州ミズーラの自宅で亡くなった。

マスランカは1943年、アメリカのマサチューセッツ州ニューベッドフォード生まれ。オべリン音楽院、モーツァルテウム音楽院で作曲を学び、ミシガン州立大学で作曲の博士号を取得した。室内楽、管弦楽、合唱、吹奏楽など幅広い分野で150を超える作品を残したが、とりわけ吹奏楽においては、交響曲、協奏曲、独唱と合唱を伴うミサ、5つのサクソフォン四重奏曲など50作以上を作曲し、現代吹奏楽のレパートリーの発展において重要な役割を果たした。

代表的な吹奏楽作品として、《アルト・サクソフォン協奏曲》《子供の庭の夢 Child's Garden of Dreams》《我らに今日の糧を与え給え Give Us This Day》などに加え、WASBE(世界吹奏楽協会)の公式レパートリーリストにも登録されている《交響曲第4番》《トラベラー Traveler》《クラリネットと吹奏楽のための協奏曲》が挙げられる。日本国内でも昨年、秋山和慶指揮広島ウインドオーケストラや、 ジェリー・ジャンキン指揮洗足ウインド・シンフォニーによって《交響曲第4番》が演奏されている。

2008年12月、金聖響指揮のもとで東京佼成ウインドオーケストラとシエナ・ウインド・オーケストラが共演した「ブラスの祝典」で《マザー・アース Mother Earth》が演奏され、日本の聴衆に広く知られるようになった。2010年には来日し、愛知で開催されたJWECC(日本管楽合奏指揮者会議)に参加。このとき、JWECC委嘱による《リベレーション Liberation》の世界初演が仲田守の指揮によって行われている。また、雲井雅人(サクソフォン)の委嘱によって2つのサクソフォン四重奏曲:《レシテーション・ブック  Recitation Book》と《ソングス・フォー・ザ・カミング・デイ Songs for the Coming Day》を作曲するなど、日本の吹奏楽との関わりも深かった。

作品は、カール・フィッシャー(Carl Fischer Music)などの出版社から出版されている。また、マシュー・マスランカ氏が中心となって運営する公式サイト(davidmaslanka.com)にも、作品情報や録音情報がまとめられている。

デイヴィッド・マスランカ氏と、今年7月に先立たれたその妻アリソンさんのご冥福を心よりお祈りします。