1917 年に韓国に生まれた作曲家ユン・イサン（尹伊桑）の作品を集成したシリーズCD『尹 伊桑の芸術』が、カメラータ・トウキョウからリリースされた。これは1992年に同社が発売した同名の10枚組CD『尹 伊桑の芸術』にユンの没（1995年）後に録音された室内楽曲の音源を加え、全9枚のCDに再構成したものである。

ユンの初期の作品であり「ヨーロッパでの活動の足場を築いてくれた」室内アンサンブルのための《洛陽（ローヤン）》から、最晩年の作品《クラリネット五重奏曲第2番》までのユンの代表作を、オーケストラ作品、協奏曲、室内楽曲の編成ごとに網羅したこの録音は、歴史の波に翻弄されながらも強靭な意思で音楽活動を続け、アジア出身の作曲家として初めて西洋音楽史に名を残したこの作曲家を知るための、不可欠の資料といえる。

演奏家の豪華な顔ぶれも聴きどころのひとつといえるだろう。バイエルン放送交響楽団、ザールブリュッケン放送交響楽団、ベルリン放送交響楽団といったドイツの代表的オーケストラ、ホリガー（オーボエ）、ニコレ（フルート）、ブルンナー（クラリネット）、ガヴリロフ、辰巳明子、澤和樹（以上ヴァイオリン）、デメンガ（チェロ）、高橋悠治（ピアノ）ら錚々たる名手が録音に参加。

CDの詳細（カメラータ・トウキョウのウェブサイト）
http://www.camerata.co.jp/J/blog/news/2009/11/2009-11-16-01.html

ユン・イサンの作品は多くがブージー・アンド・ホークスから出版されており、当社を通じて出版譜の購入およびパート譜のレンタルが可能です。

ブージー・アンド・ホークスのウェブサイト
http://www.boosey.com/composer/Isang+Yun