権代敦彦《無常の鐘》演奏動画 浜松国際ピアノコンクール
2009年 11月20日付
ピアノのための《無常の鐘》は、第7回浜松国際ピアノコンクールの委嘱により、2009年11月13日から15日にかけて行われた同コンクール第2次予選の課題曲として作曲されました。
現在浜松国際ピアノコンクールのホームページにて演奏映像、および権代敦彦のコメント(第2次予選結果発表速報)を配信中。
権代敦彦 《無常の鐘》 ピアノのための Transient Bell for piano 演奏時間:約7分 SJ 1172 菊倍判/24ページ ISBN 978-4-89066-472-6 オンラインショップ |
鐘の音は仏の声。
あの世とこの世の境界に鳴る鐘、
その荘厳な響と余韻は、仏教的無常観を伝える。
この世の儚さを告げ、盛者必衰の道理をそこに聴く。
《無常の鐘》は、古来「無常の調子」と言われ、
鐘を鋳る際に理想とされた黄鐘調(おうしきしょう)を基本とした音構成。
鐘の一撞きで生み出される、「アタリ(衝撃音)」「オシ(安定した音高)」「オクリ(鳴り終わり)」という響の漸次的な変化と、減衰から想を得た時間枠とによって成り立っている。
ピアニストによって撞かれる鐘からは、
梵鐘のような複雑な倍音が聴かれ、
残響の行く先に、清浄に耀く「無常」があらわれるだろう。
同時にそこに、「永遠」「不滅」にしがみつく自我への警鐘を
聴く人もあるかも知れない。
権代敦彦