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武満徹 《「乱」組曲》 取り扱い開始

2010年 2月 1日付

ショット・ミュージック株式会社はこのたび、フランスの音楽出版社スタジオカナル(StudioCanal)と契約し、武満徹《「乱」組曲》の日本国内における著作権管理業務、および全世界における演奏用楽譜のレンタル業務を開始いたしました。

 黒澤明27作目の映画作品『乱』のための背景音楽から抜粋、再構成されたこの組曲は、サウンド・トラックを担当した札幌交響楽団をはじめとするオーケストラによって、すでに国内外で数多く演奏されている人気作品です。またイギリスのレコード・レーベル、シャンドス(Chandos)から、尾高忠明指揮の同交響楽団による録音も発売されています。

 演奏時間は約12分。全4楽章は、三の城落城(第1、2楽章)、八幡野の戦(第3楽章)、クレジット・タイトル(第4楽章)と、映画『乱』において重要な場面を飾っている音楽ばかりで構成されており、組曲自体が映画のエッセンスといっても過言ではありません。また、武満としては異例ともいえる、ティンパニを多用した、中低音域を中心とする重く厚いオーケストラの響きは、同時期に作曲された協奏曲《オリオンとプレアデス》《リヴァラン》《虹へ向かって、パルマ》、あるいはオーケストラのための《夢窓》などといった色彩豊かな音楽とは全く異なった世界を築き上げています。

 原曲はロサンゼルス映画批評家協会賞音楽賞、および第9回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。「映画音楽作曲家」武満徹のこの代表的作品を、プログラムの一曲としてぜひご検討下さい。



「乱」組曲
オーケストラのための
映画音楽の演奏会用編曲版(1985)
編成:3.3.3.3-4.3.3.0-4perc-cel. hp-str
演奏時間:約12分

music_2.gif ?Naxos Music Libraryで試聴
尾高忠明指揮、札幌交響楽団(Chandos CHAN9876)




?? 関連作品(ショット・ミュージック管理楽曲)


明日(アシタ)ハ晴レカナ、曇リカナ
武満 徹・詞
混声合唱のための 『うたI』(SJ 1070)/『武満徹:SONGS』(SJ 2000)

 「音楽を担当した映画『乱』のロケ現場を訪れた武満が、スタッフのために即興で作った歌。明日は果たして晴れるのかどうかと、スタッフが案じているのは、天気が悪くなるとウィスキーを抱えて部屋にこもってしまう監督=黒澤明のことだという。」(『武満徹:SONGS』 129ページ)



どですかでん
オーケストラのための
映画音楽の演奏会用編曲版(1996)
編成: 2. 1. 2. 1 ? 2. picc.tp. 0. 2. b.tbn. 0 ? 3perc (vibr/marimb/tambourine/s.dr/2tom-t/cavasa) ? harp, celesta, harmonica (also b.harmonica), s.recorder (also a.recorder), guitar (also requint guitar) ? 8. 6. 4. 4. 2.
演奏時間: 5分 演奏用楽譜: レンタル

 黒澤明監督作品『どですかでん』の背景音楽を演奏会用に編曲したもの。生涯にわたって映画のための音楽を多数作曲した武満だが、黒澤との仕事は、『乱』とこの作品のみ。