ハインツ・ホリガー来日とエリオット・カーター
スイスの作曲家でオーボエ奏者、指揮者のハインツ・ホリガー (Heinz Holliger) が17年ぶりに来日し、各地で演奏会を開く。演奏家、指揮者としての活動が中心となり、一昨年100歳を迎えたエリオット・カーター (Elliot Carter) の作品をはじめとする同時代作品とモーツァルトなどの古典を取り混ぜたプログラムを各地で演奏する。いくつかの演奏会ではホリガー作品も、プログラムに取り上げられている。
スイス・チェンバー・ソロイスツとの演奏会は、2月7日から13日にかけて、水戸、武蔵野、東京、長久手、静岡、横浜の計6回行われる。ホリガー自身が世界初演に関わった、カーターの《HBHH》《インナー・ソング》 (Inner Song) 《オーボエ四重奏曲》 (Oboe Quartet) の3つの作品は、全ての公演で演奏される。また、ホリガーのフルート独奏のための作品《エクリ》 ((e)cri(t)) も、同ソロイスツ・メンバーのフェリックス・レングリ (Felix Renggli) によって、東京、長久手、静岡、横浜の4会場で演奏される。
兵庫芸術文化センター管弦楽団の第31回定期演奏会にも出演する。2月19日から21日にわたる3回の公演では、カーターの近作《フルート協奏曲》 (Flute Concerto) を指揮。ソリストは前述のレングリ。この公演が日本初演となる。
名古屋フィルハーモニー管弦楽団の第366回定期演奏会 (2月26日、27日) では、これもまた日本初演となる《クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩による6つの歌》 (Sechs Lieder nach Gedichten von Christian Morgenstern) を自演する。ソプラノは秦茂子。
また2月8日には、フルートのレングリによる演奏を交えたホリガー自身のプレゼンテーション「ハインツ・ホリガー自作を語る」が東京音楽大学において開かれる。作曲家ホリガーに焦点を当てたイベントは、今回の来日ではおそらく唯一のものであろう。通訳は岡本和子。
?来日演奏会、イベントの詳細
スイス・チェンバー・ソロイスツ公演
「ハインツ・ホリガーと仲間たち」
兵庫芸術文化センター管弦楽団
第31回定期演奏会
名古屋フィルハーモニー管弦楽団
第366回定期演奏会
*東京音楽大学
平成21年度 特別招聘演奏家シリ―ズ「ハインツ・ホリガー自作を語る」
(*あくまで大学の授業であるため、聴講希望者が会場収容人数を超える場合、学生が優先となるとのことです。)
? ハインツ・ホリガー作品詳細
クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩による6つの歌 (1956/1957、2003改訂)
ソプラノとオーケストラのための
スコア、パートともレンタル
ソプラノとピアノのための
スコア (ヴォーカル・スコア)
エクリ (2005、2006改訂)
フルートのための
スコア
Naxos Music Libraryで《エクリ》を試聴
フルートは、来日公演でもこの作品を演奏するフェリックス・レングリ。
? エリオット・カーター作品詳細
HBHH (2007)
オーボエのための
スコア (プリント・オンデマンド)
インナー・ソング (1992)
オーボエのための
スコア
Naxos Music Libraryで試聴
オーボエ四重奏曲 (2001)
オーボエと弦楽三重奏のための
スコア、パート譜ともレンタル。ただし、プリント・オンデマンドで販売も可能
Naxos Music Libraryで試聴
フルート協奏曲 (2008)
フルートとアンサンブルのための
スコア、パートともレンタル