ブロムシュテットのマーラー・インタビュー
日本でも人気のある指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットが「マーラー・インタビュー」に登場しました。
ユニバーサル・エディションのウェブサイト
http://mahler.universaledition.com/herbert-blomstedt-on-gustav-mahler/
インタビューから一部を翻訳
インタビュアー
「先日サイモン・ラトルが言ってましたが1960年代後半のイギリスにおいてはマーラーはある種のジョークだと見なされていたようです。あなたはアメリカでの指揮活動が長いですが、マーラーがまともな音楽と見なされていなかったこの時期のことを覚えていますか?」
ブロムシュテット
「アメリカではそんなことはありませんでした。しかし、私が若い頃にいたスウェーデンではそうでした。皆本当にマーラーが嫌いでした。マーラーの音楽はおもしろいが本当に心に響く音楽ではないと思われていたのです。こうした傾向が変わったのは1960年、すなわちマーラーの生誕100周年の年だったと思います。その年、ここウィーンで大規模なマーラー・フェスティバルが行われました。これがきっかけで、彼の音楽は世界中を駆けめぐることになりました。実はアメリカではマーラーはかなり早くから理解されていました。アメリカにはユダヤ人が大勢暮らしていたからです。アメリカに移り住んだ偉大なユダヤ人音楽家たちはマーラーの音楽に共感し、そのことがアメリカ人をマーラーに近づけたのです。しかも聴衆の多くがユダヤ人で、彼らは音楽に対する優れた感性を持ち合わせていました。こうしたところからマーラーの音楽は広まっていきました。今日、マーラーの音楽への愛はユダヤ人だけのものではありません(笑)。それは全人類のものです。私はこうした現在の状況を喜ばしいと思いますし、もちろんそれはマーラーが予言していたところでもあります。「私の時代が来る!」と。彼は正しかったのです。」
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