新刊楽譜:菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール《嵐が丘》
ジャズ・ミュージシャンの菊地成孔(きくちなるよし)作曲、『菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール』演奏による《嵐が丘》(Wuthering Heights)が、楽譜となってショット・ミュージックから登場です。同アンサンブルの結成10周年となる2015年、待ち望まれていた菊地成孔作品の楽譜初出版となります。
アルバム『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』(2009)収録音源に基づく徹底的な採譜によって細部まで記譜されたフルスコアとパート譜のセット。バンドネオン、ハープ、ヴォーカル、ピアノ、パーカッション×4、弦楽四重奏、ベース、の13人編成。コードネームは勿論、パーカッションやスキャットを含む全てのパートが実音で記譜され、演奏と楽曲分析のいずれの需要も充分に満たす楽譜となっています。監修は菊地成孔、バンドネオン監修は早川純。
TVアニメ『LUPIN the Third −峰不二子という女−』(日本テレビ/2012)では、この《嵐が丘》からリメイクされた《新・嵐が丘》がオープニングテーマ曲として採用され、その先鋭的な表現がアニメファンや音楽ファンの間で大きな反響を呼んだことも記憶に新しいでしょう。
ドラマティックなコード進行もさることながら、曲中に巧みに組み込まれたポリリズム(クロスリズム)、変拍子、メトリックモジュレーションといったリズム上の仕掛けは、菊地成孔の音楽の醍醐味といえます。
《嵐が丘》 フルスコア(28ページ) 監修:菊地成孔 菊倍判(227×303 mm) |
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