NHK交響楽団「Music Tomorrow 2017」 一柳慧 岸野末利加 マーク=アンソニー・ターネジ
Ichiyanagi, ©Koh Okabe / Kishino, photo by June Ueno / Turnage, ©Philip Gatward
6月9日、東京オペラシティコンサートホールにおいて、NHK交響楽団「Music Tomorrow 2017」が開催される。第65回尾高賞受賞作に決定した2作品:一柳慧、池辺晋一郎それぞれの交響曲第10番のほか、岸野末利加作曲によるオーケストラ新作の世界初演、マーク=アンソニー・ターネジ作曲によるピアノ協奏曲の日本初演がプログラムされている。
一柳慧《交響曲第10番―さまざまな想い出の中に―岩城宏之の追憶に》(2016)は、石川県音楽文化振興事業団(オーケストラ・アンサンブル金沢)による委嘱作品。岩城宏之の没後10年を機に作曲され、昨年6月2日に川瀬賢太郎指揮オーケストラ・アンサンブル金沢による初演が行われた。本作で一柳は自身5回目となる尾高賞を受賞した。
NHK交響楽団委嘱作品、岸野末利加《シェイズ・オブ・オーカー Shades of ochre》(2017)は、この日が世界初演。フランスで学んだ岸野は2006年からケルンを拠点とし、リヨン・ビエンナーレ、オスロ・ウルティマ音楽祭、アハト・ブリュッケン音楽祭、ラジオ・フランス、南西ドイツ放送などの委嘱作品を手がけるなど、主にヨーロッパで精力的に活動している。近年ではムジーク・ファブリーク、アスコ・シェーンベルク・アンサンブル、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団、ストラスブール・パーカッション・グループらによって作品が演奏されている。作品の出版元はイタリアのツェルボーニ社。
昨年11月にサントリーホールで行われた大作《Hibiki》の初演も記憶に新しいマーク=アンソニー・ターネジによる《ピアノ協奏曲》は、マルカンドレ・アムラン(ピアノ)とヤニック・ネゼ=セガン指揮ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団によって2013年に初演が行われた作品。第2楽章〈Last Lullaby for Hans〉について作曲家は、私淑していたハンス・W・ヘンツェへの追悼であると述べている。第3楽章〈Grotesque Burlesque〉では、ラグタイムで用いられるストライド奏法や、ジャズ的語法への接近がみられるだろう。今回の日本初演では注目の若手ピアニスト、反田恭平がソリストを務める。
管弦楽演奏はいずれもローレンス・レネス指揮NHK交響楽団による。開演前に会場において第65回尾高賞授賞式とプレトークが行われる。
Music Tomorrow 2017
2017年6月9日(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
18:30〜尾高賞授賞式・プレトーク
反田恭平(ピアノ)
ローレンス・レネス(指揮)
NHK交響楽団
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=624