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サントリー芸術財団サマーフェスティバル2017 ゲオルク・フリードリヒ・ハースを特集

2017年 8月 1日付

© Universal Edition / Eric Marinitsch


サントリー芸術財団が主催する現代音楽の祭典、「サマーフェスティバル」が9月2日から11日にかけて、今年もサントリーホールで開催される。「国際作曲委嘱シリーズ」「ザ・プロデューサー・シリーズ」「芥川作曲賞選考演奏会」の3つのプロジェクトを軸に全7公演が予定されている。

細川俊夫が監修する〈国際作曲委嘱シリーズ〉では、欧州の現代音楽を牽引する作曲家の1人、ゲオルク・フリードリヒ・ハースをテーマ作曲家に迎え、2つの演奏会でその作品を特集する。7日、イラン・ヴォルコフ指揮東京交響楽団による管弦楽演奏会では、ミランダ・クックソン(ヴァイオリン)をソリストとして迎え、サントリーホール委嘱によるヴァイオリンとオーケストラのための新作の世界初演が行われるほか、メンデルスゾーン《真夏の夜の夢》へのオマージュとして作曲された《夏の夜に於ける夢 Traum in des Sommers Nacht》(2009)と、ハースがウィーンで師事したフリードリヒ・ツェルハ作曲《Nacht》(2012-13)の2作品の日本初演も行われる。

11日の室内楽演奏会では、ジョスカン・デ・プレのミサ曲を土台に自身のイディオムを取り入れた6重奏作品《ひとつから三つを tria ex uno》(2001)や、ヴァイオリンのための《地球の終わりに de terrae fine》(2001)、《弦楽四重奏曲第2番 String Quartet No. 2》(1998)など、5作品が演奏される。若林かをり(フルート)、上田希(クラリネット)、辺見康孝(ヴァイオリン)、多井智紀(チェロ)、神田佳子(パーカッション)、永野英樹(ピアノ)らが出演、《ひとつから三つを》では杉山洋一が指揮を務める。

音楽評論家・政治思想史研究者の片山杜秀を迎えての〈ザ・プロデューサー・シリーズ〉では、「日本再発見」をテーマに、戦前・戦中・戦後、それぞれに注目すべき日本の作曲家:大澤壽人(1906-53)、尾高尚忠(1911-51)、伊福部昭(1914-2006)、芥川也寸志(1925-89)、松村禎三(1929-2007)などを取り上げ、日本の近現代音楽史を俯瞰する。

4日の「再発見 戦後日本と雅楽」公演では、70年代に国立劇場の委嘱によって作曲された雅楽のための2作品、黛敏郎《昭和天平楽》(1970)と、武満徹秋庭歌一具》(1973/79)が取り挙げられる。戦後から現代へとつながる同時代を生きた、黛(1929-97)と武満(1930-96)という2人の重要な作曲家の個性を、日本伝統音楽へのアプローチの違いから対照的に聴くこともできるだろう。演奏を務める伶楽舎は《秋庭歌一具》を自身の重要なレパートリーとして、これまで数多くの再演を重ねている。昨年11月には勅使川原三郎・佐東利穂子両氏のダンスとの共演で同作を上演し、その挑戦に満ちたアイディアが評価されて第16回佐治敬三賞を受賞した。


サントリー芸術財団 サマーフェスティバル2017
2017年9月2日(土)〜11日(月) サントリーホール(東京)
http://www.suntory.co.jp/sfa/music/summer/2017/index.html