ヴェネツィア・ビエンナーレ「細川俊夫ポートレートコンサート」 武生アンサンブル
© Kaz ishikawa
細川俊夫の室内楽作品を集めたポートレート・コンサートが10月7日、イタリアのヴェネツィアで行われる。今年開催されているヴェネツィア・ビエンナーレの音楽部門「ビエンナーレ・ムジカ」(作曲家イヴァン・フェデーレがディレクターを務める)の一環として行われる公演だ。
武生国際音楽祭(音楽監督:細川俊夫)への出演も多い、宮田まゆみ(笙)、鈴木俊哉(リコーダー)、上田希(クラリネット)、松村多嘉代(ハープ)、山本純子(ピアノ)、辺見康孝(ヴァイオリン)、多井智紀(チェロ)ら、国内外で活躍するソリストたちが、「武生アンサンブル」として出演し、古くは《鳥たちへの断章 III》《垂直の歌》《ヴァーティカル・タイム・スタディ I》から、近作《時の花》まで、 1990年から約20年の間に作曲された9つの細川作品が演奏される。
ヴェネツィア公演の後、武生アンサンブルは10月8日・11日にそれぞれヴェローナ、スロベニアの首都リュブリャナでも、いずれも同様の細川ポートレート公演を行う[*]。自身のルーツである日本、延いては中国や韓国へ遡る東洋的思想を、西洋音楽の語法を用いて表現することを一貫して追求してきた細川の創作を見渡すとともに、「武生」の名をより広くアピールする機会になるだろう。ヴェローナの公演では、細川も高く評価する若手作曲家、フェデリコ・ガルデッラによるリコーダー作品も演奏される。
「東洋」をテーマに掲げる今年のビエンナーレ・ムジカでは、細川のポートレート・コンサートのほか、グオ・ウェンジン、タン・ドゥン、ユン・イサン、チン・ウンスク、野平一郎、岸野末利加、藤倉大、酒井健治らの作品がプログラムされている。
[*]10月9日にミラノで予定されていた公演は中止となった(2017年10月2日追記)
武生アンサンブル 細川俊夫作品公演