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年末年始 注目の日本初演 細川俊夫《嘆き》ほか、ターネジ、バルタカス、ヴィトマン、アダムズ

2017年 12月 1日付

(upper left) Mark-Anthony Turnage, ©Philip Gatward
(bottom left) Vykintas Baltakas, Photo: Astrid Ackermann
(center) Toshio Hosokawa, ©Kaz Ishikawa
(upper right) Jörg Widmann, ©Marco Borggreve
(upper right) John Adams, ©Deborah O'Grady


マーク=アンソニー・ターネジアースキン》(2013)
ドラム・セットとオーケストラのための
Mark-Anthony Turnage: Erskine for drum set and orchestra
2017年12月2日[土]14:00 東京芸術劇場
2017年12月3日[日]14:00 東京芸術劇場
出演:ピーター・アースキン(ドラムス) ディエゴ・マテウス(指揮) 読売日本交響楽団
▶かつてジャコ・パストリアスらとともにウェザー・リポートに在籍していた、ドラマーのピーター・アースキンのために作曲された協奏曲。初演は2013年11月、ドイツのボンで行われた。ターネジとアースキンはこれまでにも多く協働を重ねており、本作の他にもターネジは《ブラッド・オン・ザ・フロア》《Scorched》《Fractured Lines》など、アースキンからインスピレーションを得た作品を作曲している。昨年11月に行われたサントリーホール30周年記念委嘱作品《Hibiki》、今年のN響「Music Tomorrow 2017」での《ピアノ協奏曲》に続くターネジ作品の日本初演となり、国内でのターネジへの注目の高さが伺える。


ヴィキンタス・バルタカスRedditio》(2010)
アンサンブルのための
Vykintas Baltakas: Redditio for ensemble
2017年12月7日[木]19:00 東京文化会館 小ホール
出演:板倉康明(指揮) 東京シンフォニエッタ
▶バルタカスは、2015年のエリザベート王妃国際音楽コンクール委嘱により、セミ・ファイナル課題曲《レチタティーヴォ》を作曲、昨年にはチェロ協奏曲《コメントゥム》がリトアニア国立交響楽団によって初演が行われるなど、着実に活躍の場を広げている。2009年には、複数のアンサンブル、ソリスト、指揮者、作曲家らで構成されるLENsembleを自身で設立・主宰し、現代作品の積極的紹介に努めている。日本では、2007年のサントリー音楽財団サマーフェスティバルで行われた、《(コ)ロ(ナ)》の日本初演などを通じて作品が紹介された。《Redditio》の初演は2010年10月、ベルギーのルーヴェンにて、Champ d'Actionの演奏によって行われた。


細川俊夫嘆き》(2013)
ソプラノとオーケストラのための
Toshio Hosokawa: Klage for soprano and orchestra
2017年12月13日[水]19:00 サントリーホール(東京)
2017年12月14日[木]19:00 サントリーホール(東京)
2017年12月16日[土]14:00 横浜みなとみらいホール(神奈川)
2017年12月17日[日]15:00 いわき芸術文化交流館(福島)
出演:アンナ・プロハスカ(ソプラノ) シャルル・デュトワ(指揮) NHK交響楽団
▶2013年ザルツブルク音楽祭による委嘱作品。ゲオルク・トラークルによる同名の詩を基にソプラノとオーケストラのために作曲され、同音楽祭で、アンナ・プロハスカ(ソプラノ)とデュトワ指揮NHK交響楽団によって世界初演が行われた。その後、2015年の京都市交響楽団の欧州公演の際、細川自身によって、藤村実穂子による演奏のためにメゾ・ソプラノ独唱のための版が作られた。今回は、世界初演の時と同じ演奏家陣による、オリジナルのソプラノ版日本初演となる。ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、バイエルン放送響など一流オーケストラとの共演を重ね、いま最も将来を期待されている若手ソプラノの一人であるプロハスカの歌唱にも注目したい。


イェルク・ヴィトマンエコー=フラグメンテ》(2006)
クラリネットと2群のオーケストラのための
Jörg Widmann: Echo-Fragmente für Klarinette und Orchestergruppen
2018年1月13日[土]18:00 サントリーホール(東京)
出演:イェルク・ヴィトマン(クラリネット) シルヴァン・カンブルラン(指揮) 読売日本交響楽団
▶クラリネット奏者としても活躍するヴィトマン作曲、A管クラリネット独奏と、異なるピッチ(443Hz・430Hz)で調律された2群のオーケストラのための作品。2006年にフライブルクで、ヴィトマン独奏、カンブルラン指揮南西ドイツ放送交響楽団とフライブルク・バロック管弦楽団によって初演が行われた。今年1月にはハンブルクのエルプフィルハーモニー開館を記念した大作オラトリオ《ARCHE》が、ケント・ナガノの指揮で初演されるなど、近年ますます注目が高まっているヴィトマン。日本国内では、昨年行われたヴィトマン指揮オーケストラ・アンサンブル金沢による公演も記憶に新しい。2018年夏には、細川俊夫が監修する「サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ」の委嘱作曲家として特集され、オーケストラのための新作を発表する。


ジョン・アダムズアブソルート・ジェスト》(2011)
弦楽四重奏とオーケストラのための
John Adams: Absolute Jest for string quartet and orchestra
2018年1月27日(土)18:00 NHKホール(東京)
出演:セント・ローレンス弦楽四重奏団 ピーター・ウンジャン(指揮) NHK交響楽団
▶これまで新作委嘱によって《ハルモニウム》《ハルモニーレーレ》《エル・ニーニョ》といったアダムズの代表作を世に送り出してきた、サンフランシスコ交響楽団の創立100周年を記念して作曲された作品。ベートーヴェンの、特に後期弦楽四重奏のスケルツォの断片が素材として組み合わされ、また第9交響曲のリズム・モチーフが参照されている。世界初演は2012年、セント・ローレンス弦楽四重奏団とマイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団によって行われた。