新刊楽譜 小出稚子《花街ギミック》打楽器のための
2018年 11月 8日付
小出稚子作曲、打楽器のための《花街ギミック Hanamachi Gimmick》(2010/18)は、2010年の「吉原すみれパーカッション・リサイタル」の委嘱作品。本作について小出は、お座敷遊びの唄として広く知られる金毘羅船船(こんぴらふねふね)における舞妓の手業から着想を得て、さらに小説『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)に登場する「李白の家」の賑やかな雰囲気を加味し、架空の花街におけるお座敷遊びのエッセンスを凝縮したと述べる。
アフリカ発祥のアサラトをはじめ、ハーモニカ、風鈴、チャンチキ、ボンゴ、カウベル、ギロといった小さな打楽器が使用され、実際のお座敷でも演奏できるようなコンパクトなセットながら、数種の楽器を目まぐるしく叩き分ける技巧的な側面も楽しめるだろう。
小出稚子 Noriko Koide: Hanamachi Gimmick for percussion ソロ譜 菊倍判/12ページ ISBN: 978-4-89066-501-3 |