ハリソン・バートウィスル逝去
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イギリスを代表する作曲家、巨匠サー・ハリソン・バートウィスルが2022年4月18日、ミア(イギリス)の自宅で亡くなった。87歳だった。
1934年、北イングランド、アクリントン生まれ。王立マンチェスター音楽大学(現・王立北部音楽大学)でクラリネットと作曲を学ぶ。1965年からは作曲に専念し、ハークネス奨学生としてプリンストン大学にて研鑽を積む。間もなく頭角を表し、国際的な評価を受けるようになる。マンチェスター時代には、同世代の優れた作曲家たち、ピーター・マクスウェル・デイヴィス、アレクサンダー・ゲール、ジョン・オグドン、エルガー・ハワースらと親交を結んだ。
バートウィスルの作品は、ダニエル・バレンボイム、ピエール・ブレーズ、オリヴァー・ナッセン、サー・サイモン・ラトル、ペーテル・エトヴェシュなど、多くの世界的に活躍する指揮者や演奏家を魅了し、世界各地のオーケストラや劇場から委嘱を受け、BBCプロムス、ザルツブルク音楽祭をはじめとした主要な音楽祭でテーマ作曲家として取り上げられてきた。
主な作品に、オペラ 《パンチとジュディ》(1967)、《オルフェウスの仮面》(1973-84)、《ガウェイン》(1991/1994)、《セカンド・ミセス・コング》(1993-94)、《最後の晩餐》(1998-99)、《イオの受難》(2003)、《ミノタウロス》(2005-07)、管弦楽やアンサンブルのための作品としては、《時の勝利》(1972)、《アース・ダンス》(1986)、《パニック》(1995)、《エクソディ》(1997)、《シルヴァリー・エアー》(1977/2003)、《パルス・シャドウズ》(1989-96)、《夜の影》(2001)、《テセウス・ゲーム》(2002-03)、《夜の黒鳥》(2004)、《ヴァイオリン協奏曲》(2009-10)、《ディープ・タイム》(2016)など。
1988年にナイトに叙任され、2001年にコンパニオン・オブ・オナー勲章を受勲、グロマイヤー賞(1987)やジーメンス音楽賞(1995)などを受賞。ロンドン・ナショナル・シアター音楽監督、キングス・カレッジ・ロンドン教授、英国王立音楽院作曲科主任を歴任。
日本では、東京オペラシティ文化財団主催『コンポージアム2013 ハリソン・バートウィスルを迎えて』において、テーマ作曲家として招聘され、武満徹作曲賞2013年度審査員を務めた。
作品は、Boosey & Hawkesおよび Universal Editionから出版されている。
ハリソン・バートウィスル氏のご冥福を心よりお祈りします。
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- Sir Harrison Birtwistle dies, aged 87 - Boosey & Hawkes
- https://www.boosey.com/cr/news/Sir-Harrison-Birtwistle-dies-aged-87/101927
- Universal Edition mourns the death of Sir Harrison Birtwistle - Universal Edition
- https://www.universaledition.com/news/universal-edition-mourns-the-death-of-sir-harrison-birtwistle
- Sir Harrison Birtwistle obituary - The Guardian
- https://www.theguardian.com/music/2022/apr/18/sir-harrison-birtwistle-obituary
- Sir Harrison Birtwistle obituary - The Times
- https://www.thetimes.co.uk/article/sir-harrison-birtwistle-obituary-mh9fjr57g