Home>ニュース

ニュース

RSS Twitter Facebook

一柳慧《ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲》世界初演

2022年 10月 20日付

一柳慧/Toshi Ichiyanagi

photo © Koh Okabe

一柳慧の遺作となった《ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲》が、10月25日、読売日本交響楽団622回定期公演において、成田達輝のヴァイオリン、本條秀慈郎の三味線、シルヴァン・カンブルランの指揮、同交響楽団により世界初演される。

2021年11月、一柳は2作目となる二重協奏曲を完成させた。1作目は2017年に作曲された《ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲》で、サントリー芸術財団主催の「作曲家の個展 II」において初演されているが、洋楽器と和楽器の組み合わせによる二重協奏曲は、本作が初となる。

一柳にとって、東洋の伝統芸術に見られる「時間と空間の共存」の概念を自身の作品において探究することは、創作のテーマのひとつであった。本作は本来、異なる音楽的時間のなかで演奏している楽器同士を独奏者として組み合わせることで、2つの時間が融合した独自の空間を生み出そうとする新たな試みと言えるだろう。

一柳のたっての希望でソリストを務める2人は、それぞれに一柳と深い関わりを持つ気鋭の若手であり、その演奏にも期待が高まる。ヴァイオリンの成田は、2017年に一柳の最初の二重協奏曲の世界初演のソリストを、2021年に《ヴァイオリン協奏曲「循環する風景」》のソリストを務めている。三味線の本條は、2018年に一柳の三味線とヴィオラのための《デュオ》を世界初演、昨年、2021年には三味線とピアノのための《デュオ》を高橋悠治と共に世界初演するなどしている。

2023年2月にも世界初演第2弾として、金沢でオーケストラ・アンサンブル金沢による演奏が予定されている。

一柳 慧 Toshi Ichiyanagi
ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲
Double Concerto for Violin and Shamisen with strings and percussion
【世界初演】
成田達輝(ヴァイオリン)、本條秀慈郎(三味線)、シルヴァン・カンブルラン(指揮)、読売日本交響楽団
2022年10月25日[火]19:00 サントリーホール(東京)
https://yomikyo.or.jp/concert/2022/01/622-1.php#concert