川上統《大樺斑蝶の樹》世界初演
2023年 4月 21日付
photo © Yuya Miyagawa
4月23日、シュトゥットガルト、Stadtkirche Bad Cannstattにて、川上統の新作《大樺斑蝶の樹》がオルガンの佐々木悠によって世界初演される。
この作品は、初演者である佐々木悠の委嘱によって作曲された。作曲者によると、オオカバマダラ(大樺斑)という蝶の生態からインスピレーションを受けている。この蝶は年間3000kmを超える距離を大群で移動し、何千匹、何万匹という大群で1本の木を覆うように止まるため、まるで蝶が木の葉のごとく木に生えているように見える。作曲者はその様子をオルガンの特性を生かして作品に仕上げている。
巨木のような和音の連なりから次第に細かい反復音で蝶の細かな羽ばたきを表し、次第に音像を羽ばたきが覆っていく。
これまでの作品と同様、川上の生物への深い関心と鋭い観察眼が光る作品が、オルガンでどのように響くのか、興味深い初演となりそうだ。
川上統
《大樺斑蝶の樹》(2023)
オルガンのための
Monarchfalterbaum for organ
【世界初演】
佐々木悠(オルガン)
2023年4月23日(日)20:00 Stadtkirche Bad Cannstatt(シュトゥットガルト、ドイツ)
https://www.musik-am-13.de/veranstaltungen