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9月6日、Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホールにて、名古屋フィルハーモニー交響楽団「市民会館名曲シリーズ〈和欧混交Ⅲ／細川俊夫とマーラー〉」で細川俊夫の《サクソフォン協奏曲》が日本初演される。1998〜99年に作曲された同曲はサクソフォン奏者のヨハネス・エルンストによる委嘱作品で、1999年にドイツのベルリンにてエルンストの独奏、高関健 指揮によるベルリン・ドイツ交響楽団によって世界初演された。

作曲から25年を経た今回の日本初演は、細川がもっとも高く評価し、その作品を数多く演奏してきた大石将紀がサクソフォン独奏をつとめる。「私の協奏曲作品は、独奏者は人、オーケストラは人を取り囲む自然、宇宙」であるという細川。作品は、押し寄せる波とその前に佇む一人の人物を描いた、ロマン派画家、カスパー・ダヴィッド・フリードリッヒの「海辺の僧」から着想を得ている。

細川俊夫が音楽監督、ピアニスト・伊藤恵がコンサートプロデューサーを務める「武生国際音楽祭」が、今年も福井県の越前市文化センターを中心に、9月1日から9月8日まで開催される。「弦楽四重奏 ウィーンへの旅」と題された今年は、結成50周年を迎えたアルディッティ弦楽四重奏団が来日、加えてエール弦楽四重奏団、クァルテット・インテグラと気鋭の若手奏者たちも集い、クラシックからコンテンポラリーまでウィーンにちなんだ作曲家たちの作品が取り上げられる。

9月5日の「フルート&ハープの名曲と『浄夜』」では、細川俊夫の《アラベスク》（2017-18）が演奏される。ヴィオラ、フルート、ハープのトリオであるTre Vociの委嘱により作曲され、彼らに献呈されたこの作品は、2018年4月にアメリカのボストンで世界初演、つづいてイギリス、イタリアなど各地で初演され、今回の武生国際音楽祭で、マリオ・カーロリ（フルート）、吉野直子（ハープ）、田原綾子（ヴィオラ）の演奏により日本初演を迎える。

9月6日の「細川俊夫と仲間たち―アルディッティ弦楽四重奏団を迎えて―」では、細川俊夫がアルディッティ弦楽四重奏団の結成50周年を記念して作曲したピアノ五重奏のための《オレクシス》（2023）が取り上げられる。今年3月にドイツのベルリンで世界初演され、先だって8月22日に「サントリーホール　サマーフェスティバル2024」にて日本初演された。世界初演・日本初演と同じく本公演もアルディッティ弦楽四重奏団と北村朋幹（ピアノ）が演奏を担う。

また、9月8日の「モーニング名曲コンサート」では、昨年の同音楽祭で細川の《日本の歌》を日本初演したギターのジェイコブ・ケラーマンが、同作品より数曲、またフルートの上野由恵と共に《五木の子守唄》を披露する。

ケラーマンは9月13日に広島・JMSアステールプラザで開催される「Hiroshima Happy New Ear 33」においても、細川の《日本の歌》全曲を、武満徹のギターのための《12の歌》とともに演奏する予定。