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細川俊夫《遠くから来たきみの友だち》日本初演

2025年 4月 3日付

細川俊夫/Toshio Hosokawa

photo © Kaz Ishikawa

細川俊夫の《遠くから来たきみの友だち》がこの春、待望の日本初演を迎える。2021年に世界初演され、大成功を収めて以降、ヨーロッパ各国で上演され、多くの子どもたちを喜ばせてきた作品である。

語り手とアンサンブルのための《遠くから来たきみの友だち》は、コロナ禍の2021年に、ユナイテッド・インストゥルメンツ・オブ・ルシリンの委嘱により、細川が初めて手がけた子供のための作品。朗読されるテキストは、日本のおとぎ話「浦島太郎」を題材として、多和田葉子がこの作品のために新たにドイツ語で書き下ろしたものだ。今回の日本初演では、このテキストをドイツ文学者の山口裕之が日本語に翻訳したものを基に朗読が行われる。

休暇中に海の近くのホテルに滞在している主人公。家族が寝静まった夜、人間の言葉を喋る猫に誘われて海辺に出る。そこで少年たちにいじめられているロボットとテディベアを助ける。彼らもまた人間の言葉を話し、主人公をそれぞれの自分たちの世界へと誘う。空飛ぶ魚の背に乗せてもらい、ロボットとテディベアと共に彼らの世界へ向かう主人公。そこで経験する未知の世界が主人公にもたらすものは?

作品は6歳〜15歳くらいまでの子供たちを対象としている。子供の柔軟な感性で新しい音楽を受け止めてほしいという委嘱者の姿勢に共感し、細川は自身の語法を存分に活かしながら、子供たちにとって明確で把握しやすい音楽作りに取り組んでいる。

演奏を担うのは、細川が最も信頼を置くピアニストの一人である北村朋幹をはじめ、国内外で活躍する若手実力派の演奏家たちである。細川が音楽監督を務める武生国際音楽祭にしばしば登場するメンバーも多く、細川が長年育んできた音楽祭の成果の現れのひとつとも言える。

藤井玲南の表現力豊かな朗読と若手演奏家たちの瑞々しい感性で紡がれる音楽が、春休みの子供たちに新たな世界の扉を開いてくれることを期待したい。

せたがや文化財団 音楽事業部 春休み特別企画
―子どもと大人に贈る語りと音楽― 遠くから来たきみの友だち

細川俊夫《遠くから来たきみの友だち》(2021)
語り手とアンサンブルのための
Toshio Hosokawa : Deine Freunde aus der Ferne
for narrator and ensemble
【日本初演】
藤井玲南(語り) 毛利文香(ヴァイオリン) 田原綾子(ヴィオラ) 上野通明(チェロ) 上野由恵(フルート) 西川智也(クラリネット) 西久保友広(打楽器) 北村朋幹(ピアノ)
2025年4月4日(金)15:00 成城ホール(砧区民会館)(東京)
https://www.setagayamusic-pd.com/event/8957.html