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スロヴェニアの音楽祭 武満徹ら日本人作曲家を特集「FESTIVAL SLOWIND 2014」

2014年 10月17日付

photo: Schott Music Co. Ltd., Tokyo

スロヴェニアの首都リュブリャナで毎年開催されている音楽祭『Festival Slowind』。今年は「日本の音楽」をテーマに、武満徹細川俊夫湯浅譲二一柳慧ら日本人作曲家の作品が数多く演奏されます。今月11日から21日まで、芸術監督はロバート・エイトケン。

Festival Slowind』は、スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団のソリスト達によって結成された木管五重奏団「Slowind」が中心となって例年企画しているコンサート・シリーズ。同アンサンブルは今年5月、細川俊夫の木管五重奏作品《古代の声》のスロヴェニア初演を行っています。

16回目の開催となる今年は、武満徹の作品が全面的にプログラミングされているほか、武満が音楽を担当した映画『乱』(黒澤明監督/1985)と『ライジング・サン』(フィリップ・カウフマン監督/1993)の上映や、細川俊夫の室内楽作品を集めた個展演奏会などが行われます。田嶋直士(尺八)、宮田まゆみ(笙)、半田淳子(琵琶)ら国際的に活躍する邦楽器奏者を迎え、武満《ノヴェンバー・ステップス》、《蝕(エクリプス)》、細川《鳥たちへの断章 Ⅲ》(1990)、《うつろひ》(1986)、一柳《星の輪》(1983)、湯浅《原風景》(1988)といった邦楽器のための作品が演奏されることも、大きな特徴でしょう。

ノスタルジア》(1987)、《トゥリー・ライン》(1988)、《海へ Ⅱ》(1981)、《雨の呪文》(1982)といった比較的大編成の作品から、《風の馬》(1961-66)などの合唱作品、《そして、それが風であることを知った》(1992)、《巡り》(1989)、《エア》(1995)といった小編成・独奏作品まで、音楽祭を通じて20作品を超える武満作品がプログラムされているほか、細川俊夫による武満の音楽についてのレクチャーも開かれます。作曲家の死後18年が経ってなおその音楽が世界中で愛され、珠玉の輝きを持っていることが覗える特集といえるでしょう。

18日の「細川俊夫 ポートレイト・コンサート」では、Slowindの5人に加え、ロバート・エイトケン(フルート)、吉野直子(ハープ)らを迎え、ハープのための《ゲジーネ》(2009)、フルートとピアノのための《リート》(2007)、木管五重奏のための《断章 Ⅲ》《古代の声》など、細川作曲による7作品が演奏されます。



FESTIVAL SLOWIND 2014
Music from Japan
2014年10月11–21日|リュブリャナ(スロヴェニア)
http://www.slowind.org/index.php?option=com_dailymessage&Itemid=68&izpis=fest&lang=en