ピエール・ブーレーズ逝去
作曲家・指揮者のピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez)が5日、バーデン=バーデン(ドイツ)の自宅で死去しました。享年90歳でした。
ブーレーズ作品の多くを出版しているユニヴァーサル・エディション社(Universal Edition)が公開した記事の抄訳を下に掲載します。
以下抄訳:
Pierre Boulez (1925 – 2016)
2016年1月6日正午付
ユニヴァーサル・エディションは、偉大な作曲家のひとりであると同時に、長きにわたり親愛なる友人であったピエール・ブーレーズの死に心より哀悼の意を表します。
ピエール・ブーレーズと私達との関係は、1954年4月16日、彼が2台のピアノのための《ストリュクテュール》を私達のカタログに加えた時に始まりました。この作品は1952年5月4日にパリで既に初演が行われており、当時ユニヴァーサル・エディション(UE)のディレクターであったアルフレット・シュレーの心を惹きつけていました。
UEの作曲家としてブーレーズが書いた最初の作品は、ウィーンのカールスプラッツに位置するUEの社屋で書き上げた、アルトと6つの楽器のための《ル・マルトー・サン・メートル》でした。バーデン=バーデンで行われたその世界初演から遡ること丁度3ヶ月前の1955年3月18日に、この《ル・マルトー・サン・メートル》はUEのレパートリーの一部となったのです。
現在、UEのカタログにはピエール・ブーレーズの代表的作品の多くが含まれています:
ノタシオン I-IV – オーケストラのための(1945, 1978/1984)
Notations I-IV
ノタシオン VII – オーケストラのための(1945, 1997/2004)
Notations VII
ル・マルトー・サン・メートル – アルトと6つの楽器のための(1953, 1955)
Le Marteau sans maître
プリ・スロン・プリ – マラルメの肖像 – ソプラノとオーケストラのための(1957-1962)
Pli selon pli – Portrait de Mallarmé
フィギュール=ドゥーブル=プリズム – オーケストラのための(1963, 1968)
Figures – Doubles – Prismes
エクラ – 15の楽器のための(1965)
Éclat
エクラ/ミュルティプル – オーケストラのための(1970)
Éclat/Multiples
リテュエル – ブルーノ・マデルナの追憶に – 8群のオーケストラのための(1974-1975, 1987)
Rituel – in memoriam Bruno Maderna
メサジェスキス – チェロ独奏と6つのチェロのための(1976, 1977)
Messagesquisse
レポン – 6人の独奏者, アンサンブル、ライブ・エレクトロニクスのための(1981, 1985)
Répons
デリーヴ – 6つの楽器のための(1984)
Dérive
デリーヴ 2 – 11の楽器のための(1988, 2006/2009)
Dérive 2
シュル・アンシーズ – 3台のピアノ, 3台のハープ, 3人の打楽器奏者のための(1996, 1998/2006)
sur Incises
... 爆発-固定 ... – フルートとライブ・エレクトロニクス, 2つのフルートとアンサンブルのための(1991, 1993)
... explosante-fixe ...
ブーレーズは戦後の音楽界へ非常に大きな影響を与えただけでなく、指揮者としても、私達UEのレパートリーの数多くの演奏において重要な役割を果たしてくれました。
音楽に対する彼の献身が、マーラー, シェーンベルク, ベルク, ウェーベルン, バルトーク, ヤナーチェク, シマノフスキらを今日における世界の音楽シーンに欠かせない存在へと押し上げたことには、疑いを挟む余地がありません。
ユニヴァーサル・エディション
抄訳転載:
http://www.universaledition.com/news-en/newsdetail-en/items/pierre-boulez-1925-2016-en