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一柳慧《交響曲第10番》初演

2016年 5月 2日付

© Koh Okabe


6月2日に石川県立音楽堂で行われるオーケストラ・アンサンブル金沢(=OEK)の定期公演で、一柳慧作曲による《交響曲第10》の初演が行われる。指揮は川瀬賢太郎。

オーケストラのための《交響曲第10さまざまな想い出の中に岩城宏之の追憶に》(2016)は、石川県音楽文化振興事業団(OEK)の委嘱によって作曲された1楽章形式の作品。1950年代半ばから半世紀近くにわたって日本のクラシック音楽の発展に多大なる役割を果たした指揮者・打楽器奏者であり、またOEKではその設立記念公演(88年)から音楽監督を務めた、故・岩城宏之(1932−2006)の没後10年の機に、その追憶に捧げられた作品だ。

日本人作曲家への新作委嘱とその初演を積極的に行ったことでも知られる岩城は、一柳作品においても指揮者として、ときに演奏者として多くの初演を手がけた:OEKとの共演では《ピアノ協奏曲第3番》(91年初演)、《室内交響曲第2番》(93年初演)、《音に還る》(02年初演)、他楽団では《ピアノ協奏曲第1番》(81年初演・NHK交響楽団)、《パガニーニ・パーソナル》(84年初演・札幌交響楽団)、《交響曲「ベルリン連詩」》(88年初演・東京フィルハーモニー交響楽団)など、その作品数は10を超える。

同年代でもある岩城と強い信頼関係で結ばれていた一柳は、今作品について「彼をイメージした作品。彼の新しい作品への熱意に対する感謝を込めた」と述べている。



一柳慧
交響曲第10さまざまな想い出の中に岩城宏之の追憶に
オーケストラのための

世界初演
2016年6月2日[木]19:00・石川県立音楽堂コンサートホール[info]
川瀬賢太郎(指揮)
オーケストラ・アンサンブル金沢