武生国際音楽祭 2016 ジェルヴァゾーニ作品初演など
Stefano Gervasoni – Strasbourg, April 2012 © Michel Nicolas
細川俊夫が音楽監督を務める武生国際音楽祭が、9月4日から11日までの計8日間、福井県越前市文化センターを中心に開催される。コンサート・作曲ワークショップ・演奏家マスタークラスの3つを軸に、今年も充実した企画が組まれている。
国際的著名アーティストから実力ある若手まで、国内外から集まった演奏家や作曲家によって、連日多彩なプログラミングによる演奏会が開かれる同音楽祭。今回のオープニング・コンサートだけを見ても、シューベルト、シェーンベルク、武満、細川、シャリーノ、ジェルヴァゾーニ、尺八本曲といった曲目が並び、演奏家陣の顔ぶれもイルゼ・エーレンス、伊藤恵、今川裕代、エール弦楽四重奏団、ディオティマ弦楽四重奏団、上野由恵、大石将紀、増本竜士、マルコ・デル・グレコ、田嶋直士など、非常にヴァラエティに富んでいる。
今年大きく取り挙げられるのが、現代イタリアを代表する作曲家ステファノ・ジェルヴァゾーニ(1962-)による作品だ。9日「細川俊夫と仲間たち」公演では、太田真紀(ソプラノ)らの演奏による室内アンサンブル作品《Due poesie francesi di Luca》《Due poesie francesi di Beckett》、ディオティマ弦楽四重奏団演奏による《喧騒》、青木涼子(能)とディオティマのための新作が披露される。その他、エーレンス(ソプラノ)と吉野直子(ハープ)の演奏による《3つの天使の歌》、ディオティマ演奏による《遠い声》、山本純子(ピアノ)の演奏による《エチュード IV》などの細川作品もプログラムされたこの演奏会は、大変聴き応えのあるものとなりそうだ。
若手作曲家に焦点を当てる「新しい地平コンサート」では、フェデリコ・ガルデッラ(1979-)作曲による、オーボエとピアノのための《D’autres arabesques》世界初演(演奏:荒木奏美、中川賢一)、チェロとピアノのための《嵐の記憶》日本初演(演奏:多井智紀、山本純子)などが行われる。また、最終日に行われる武満徹の没後20年記念コンサートでは、増本竜士(フルート)とデル・グレコ(ギター)の演奏による《海へ》ほか、《雨の呪文》《エア》など5作品が演奏される。
武生国際音楽祭 2016
2016年9月4日(日)– 11日(日)
http://takefu-imf.com/