細川俊夫:オルガン協奏曲《抱擁》 クリスチャン・シュミットが世界初演
Foto: Uwe Arens
細川俊夫の新作オルガン協奏曲《抱擁―光と影―》の世界初演が4月27日、クリスチャン・シュミット(オルガン)とヤクブ・フルシャ指揮バンベルク交響楽団によって、ドイツのバンベルク・コンツェルトハレで行われる。
オルガンとオーケストラのための《抱擁―光と影―》(2016/2017)は、バンベルク交響楽団、ケルン・フィルハーモニー、フィルハーモニー・ルクセンブルク、ウィーン・コンツェルトハウスが、エルンスト・フォン・ジーメンス音楽財団の助成を得て共同委嘱を行った作品で、初演の独奏者であるクリスチャン・シュミットに献呈されている。シュミットは細川のオルガン独奏曲《雲景》(2000)をレパートリーとして、これまでにも継続的に演奏してきた。
シュミットとフルシャ指揮バンベルク響は、初演に続く30日にもケルン・フィルハーモニーで《抱擁》を演奏する。こちらは、ケルン市内で開かれる「アハト・ブリュッケン」音楽祭のプログラムの1つだ。「アハト・ブリュッケン」音楽祭では昨年にも、細川作曲の3作品《静かな河》《3つのエッセイ》《息吹き》の初演が行われた。
両日とも、細川のオルガン協奏曲と並び、ウンスク・チン作曲による中国笙とオーケストラのための協奏曲《シュウ Šu》(2009)がプログラムに組まれている。2009年のサントリー音楽財団サマーフェスティバルで世界初演が行われた作品で、今回もウー・ウェイ(中国笙)が独奏を務める。パイプオルガンと笙、同じ発音原理をもつ東西楽器の対比としても聴くことができるだろう。
細川俊夫
抱擁―光と影―
オルガンとオーケストラのための
Toshio Hosokawa: Umarmung –Licht und Schatten– for organ and orchestra
2017年4月27日 19:00 コンツェルトハレ(バンベルク)[世界初演]info
2017年4月30日 18:00 ケルン・フィルハーモニー(ケルン)info
クリスチャン・シュミット(オルガン)
ヤクブ・フルシャ(指揮)
バンベルク交響楽団