バーンスタイン《ミサ》新制作上演 井上道義が指揮と演出
Paul de Hueck, courtesy the Leonard Bernstein Office, Inc.
2018年のレナード・バーンスタイン生誕100年を前に、大作《ミサ Mass》の新制作上演が今年7月14日と15日、大阪のフェスティバルホールで行われる。総監督・指揮・演出に井上道義、管弦楽に大阪フィルハーモニー交響楽団、このほか大山大輔(バリトン)ら18人の独唱、混声合唱、児童合唱、ジャズバンド、ブルースバンド、そしてダンサーら、出演者の総勢200人にも及ぶ公演だ。
《ミサ》は、バーンスタインがニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を退いた後、故ケネディ大統領の元夫人ジャクリーン・ケネディの委嘱によって1971年に作曲された。初演は同年9月8日、モーリス・ペレス指揮、ゴードン・デイビッドソン演出、アルバン・エイリー振付によって、ジョン・F・ケネディ・センター(ワシントン)のこけら落とし演目として行われた。
本作は、ローマ・カトリックの典礼文(ラテン語)が用いられ、その形式に従っているものの、純粋な宗教音楽というよりは、文字通り聖俗入り混じった舞台作品として作曲されており、70年代初頭のアメリカを覆っていた不安や閉塞感を映し出し、宗教的・政治的権威への疑問を投げかける内容となっている。
曲中、バリトンによって歌われる司祭役は徐々に信仰の危機に陥っていく。ミサは、司祭や信徒、ときには舞台上のロック歌手やブルースバンドなど、様々な登場人物が典礼文を受けて発する英語のコメントによってしばしば中断され、交わらない対話のようにして進む。挿入される英語のテクストはバーンスタイン自身と、当時ミュージカル『ゴッドスペル』の作詞作曲を手がけた若きステファン・シュワルツによって書かれた。
フル・ヴァージョンではピット内オーケストラ、ステージ上オーケストラ、20人程度の独唱、混声合唱、児童合唱という大規模編成で演奏される本作だが、編成を縮小した室内楽版、オーケストラだけで演奏される《瞑想》を抜粋した《3つの瞑想 Three Meditations from Mass》、マイケル・スウィーニー編曲による《「ミサ」による組曲 Suite from Mass》などの派生作品が存在する。
レナード・バーンスタイン《ミサ》
歌手、演奏者、踊り手のための舞台作品
新制作
第55回大阪国際フェスティバル2017
大阪フィルハーモニー交響楽団創立70周年記念
2017年7月14日[金]19:00 / 15日[土]14:00 フェスティバルホール
総監督・指揮・演出:井上道義
http://www.festivalhall.jp/program_information.html?id=1228