新刊楽譜 小出稚子《うんぽこどんぽこ》ピアノのための 第4回高松国際ピアノコンクール委嘱作品
小出稚子作曲、ピアノのための《うんぽこどんぽこ un poco don poco》(2016-2017)は、第4回高松国際ピアノコンクールの委嘱により、同コンクールの第3次審査(2018年3月20日、21日)の課題曲として作曲された。
高松国際ピアノコンクールは2006年以来3年おきに開催されており、毎回、香川をテーマとした委嘱新作を課題曲の1つとしている。本作は、香川特産の讃岐うどんと高松市屋島の伝説「屋島の太三郎狸」から着想を得ており、うどんを打つ身体の動きや、「ぽんぽこ」というオノマトペの音色とリズムを取り入れ、また塩と水の配分を音程関係に「翻訳」して使用したと小出は述べる。
「うどんを打っているのかピアノを弾いているのか。弾いているのは人間なのか狸なのか。境界線が曖昧なことは日本文化の特徴の1つ。昨今国際社会の不安定な情勢がさかんに伝えられている。コンクールにも様々な国から様々なバックグラウンドを持った参加者が集まるが、この曲を通じて人と狸が持ちつ持たれつ共存している日本の伝説を知ることによって、違いを受け入れておおらかに生きることもできるのだと気付いていただけたら」(作曲者による作品解説より抄録)
同コンクールは、この作品の演奏のためにうどん打ちの様子をまとめた動画を制作し、Youtubeで公開している:For the performance of "un poco don poco" / 「うんぽこどんぽこ」の演奏のために
小出稚子 ピアノ譜 菊倍判/16ページ |