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アデス:クープランからの3つの習作(2006)(日本初演)

2019年 10月 31日付

Thomas Adès

photo © Brian Voce

12月8日、9日に東京都交響楽団第892、893回定期演奏会で、イギリスの作曲家トマス・アデスの《クープランからの3つの習作》(2006)がアラン・ギルバートの指揮、同交響楽団によって日本初演される。

トマス・アデス(1971〜)の室内管弦楽のための《クープランからの3つの習作》(2006)は、タイトルにあるように、18世紀フランス・バロックの作曲家フランソワ・クープランの音楽に因んだ作品である。クープランが遺した全4巻に及ぶクラヴサン曲集を敬愛するアデスは、「家でこの曲集を弾いて過ごすのが理想的な1日で、ページごとに新しいインスピレーションが湧く」と語っている。クープランへの偏愛が高じて彼が最初に手がけたのは、クラヴサンから室内アンサンブルに編曲した《神秘的なバリケード》(1994)である。

今回日本初演される《クープランからの3つの習作》は、クラヴサン曲集から「I.気晴らし」「II.手品」「III.煉獄の魂」のそれぞれが室内管弦楽に編曲された作品。クラヴサンで演奏されるフレーズ間の対話やアウフタクトによるリズム的な掛け合いとズレが弦と管、打楽器の音色のパレットに色分けされることで、奥行きのある響きと生き生きとしたリズム感が生まれている。また、反復を主にした一見すると単調なクープランの様式が、陰影をもった濃淡のあるテクスチュアに姿を変え、心地よい反復へと聴き手を誘う。

3曲はいずれも原曲と同じ小節数、ハーモニー、リズムをもったきわめて忠実な編曲で、バロックの密やかな室内合奏の雰囲気が大切にされている。しかし同時に、クープランの音楽を知り抜いたアデスならではの巧みなオーケストレーションの妙が発揮された、響きとリズムのエチュード(習作)と言えるだろう。

トマス・アデス
クープランからの3つの習作(2006)
Thomas Adès:Three Studies from Couperin for Chamber Orchestra
日本初演
アラン・ギルバート(指揮)、東京都交響楽団
2019年12月8日[日]14:00 東京芸術劇場
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3249
2019年12月9日[月]19:00 東京文化会館
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3250