細川俊夫《喪失》世界初演
photo © Marco Borggreve
細川俊夫の新作、ピアノのための《喪失》が、3月3日、ウィーン楽友協会で、ベートーヴェン演奏の大家として知られるオーストリアのピアニスト、ルドルフ・ブッフビンダーによって世界初演される。
わずか3分ほどの短い小品は、ブッフビンダーが昨年新たに契約を結んだドイツ・グラモフォンとの初めての録音となる「ディアベリ・プロジェクト」のために作曲された。このプロジェクトでは、現在活躍中の11人の作曲家に、ベートーヴェンの《ディアベリの主題による変奏曲》に基づく作品が委嘱され、新録音として発売される予定。併せて、3月3日のウィーンを皮切りに、2020年のブッフビンダーの世界ツアーでも演奏される。
委嘱を受けた11人には、ロディオン・シチェドリン、フィリップ・マヌリ、細川俊夫、タン・ドゥン、ブレット・ディーン、ブラッド・ラブマン、マックス・リヒター、クリスティアン・ヨスト、イェルク・ヴィトマン、レーラ・アウエルバッハ、ヨハネス=マリア・シュタウトと、それぞれの年代を代表する作曲家が名を連ねている。ベートーヴェン生誕250年の記念年にふさわしい、画期的なプロジェクトと言えるだろう。
細川作品のタイトルである《喪失》は、作曲家によると、シューマンの《初めての喪失》に由来する。できるだけ音の数を切り詰め、ひとつひとつの音の響きの美しさを追求した作品となっている。
細川俊夫
喪失
ピアノのための
Toshio Hosokawa: Verlust for piano
【世界初演】
ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ)
2020年3月3日(火)19:30 ウィーン楽友協会
https://www.musikverein.at/konzert/eventid/40232
[関連リンク]
ルドルフ・ブッフビンダーがドイツ・グラモフォンと契約
https://www.universal-music.co.jp/classics/news/2019-04-19-topics/