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細川俊夫 ゲーテ・メダル受賞

2021年 5月 20日付

細川俊夫/Toshio Hosokawa

photo © Kaz Ishikawa

ゲーテ・インスティトゥート東京は5月19日、2021年ゲーテ・メダル受賞者を発表し、カメルーンの社会経済学者で現代アートセンタードゥアラール代表のプリンセス・マリリン・ドゥアラ・マンガ・ベル、作曲家の細川俊夫、そして中国のダンサー・振付家で生活舞踏工作室(Living Dance Studio)共同創設者のウエン・ホイの3名にメダルが贈られることが決定した。今年のゲーテ・メダルの授賞式は、ゲーテの誕生日である8月28日(土)日本時間18時(ドイツ時間11時)より、オンライン・ライブ配信にて開催される。

日本では、今年9月末にゲーテ・インスティトゥート東京で、細川に対するゲーテ・メダル授与セレモニーを予定している。

ゲーテ・インスティトゥートは、ドイツ連邦共和国による表彰であるゲーテ・メダルを、国際文化交流に特別な貢献を果たした人物に授与している。1955 年の第1回授賞以来、これまでに70カ国・357名が受賞。過去の音楽関係の受賞者には、ピエール・ブーレーズジェルジ・リゲティ尹伊桑(ユン・イサン)、ソフィア・グバイドゥーリナ、ダニエル・バレンボイム、ペーテル・エトヴェシュなど。日本では、直近で2005年に作家の多和田葉子が受賞している。

ゲーテ・インスティトゥートのカローラ・レンツ総裁は、今年の受賞者について、世界的なパンデミックの状況下で一層深刻になっている様々な課題に対して、正面から向き合っていることを評価している。また、同副総裁で、ゲーテ・メダル委員会委員長を務めるクリスティーナ・フォン・ブラウン氏は、今年のテーマについて、「芸術文化は、国際社会のつながりを支える特別な『リクイッド(液体)』 で」あり、「文豪ゲーテにとって、生命を支える『血』と、文学を生み出す『インク』は同等に重要なものでした。この 2 つの『リクイッド(液体)』が循環することで、生きることと共生が可能になるのです。」「今年のゲーテ・メダルの受賞者の活動は、まさにこのイメージです。その芸術は、様々な文化を出会わせ、国内と国外、ジェンダー、過去と未来をつないでいます」と述べている。(ゲーテ・インスティトゥート プレスリリース、日本語訳はゲーテ・インスティトゥート東京による)

委員会は細川について、長年にわたる日本とドイツ、そして広くヨーロッパでの活躍を評価し、「ドイツと日本の文化交流において最も代表的な人物に数えられ」ると評価した上で、受賞理由として、「細川氏は、その作曲によって世界中の人々をつなぐ空間を開いてきた。彼の音楽の特別な響きは超越的であり、コンサートホールをグローバルな出会いの場へと変容させる。」「そして彼は自身が属する伝統を守りながら、それぞれの文化に特有な音楽の聴き方を超越する、独特な音響作品を作り上げた」と述べている。(同プレスリリース)

2021年ゲーテ・メダル
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/g21.html