新刊楽譜:細川俊夫《線 Ⅵ》打楽器のための
2022年 1月 7日付
photo © Kaz Ishikawa
長らく出版が待ち望まれていた細川俊夫作曲、打楽器のための《線 Ⅵ》の演奏用楽譜が、ショット・ミュージックの新刊として発売された。
打楽器のための《線 Ⅵ》(1993)は、1993年9月24日に行われたベルリン芸術週間における中村功のソロ・リサイタルのために中村より委嘱され、ベルリン・フィルハーモニーにて初演された。演奏時間は12分。作品は中村功に献呈されている。
《線 I》から《線 Ⅵ》は、細川が1980年代から90年代にかけて作曲した独奏楽器のためのシリーズ。東洋の毛筆の線のあり様を様々な楽器において追求しており、書道と同様に、線と余白の関係、すなわち、ひとつひとつの音と、音のない空間との関係が非常に重要な要素となっている。
委嘱者である中村功の演奏家としての個性を存分に生かすために、《線 Ⅵ》には即興的なパートも含まれている。1993年の初演以来、中村功のみならず、世界中の打楽器奏者によって演奏されており、打楽器独奏のための作品として重要なレバートリーのひとつと言えよう。
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細川俊夫
線 Ⅵ
打楽器のための
Toshio Hosokawa: Sen Ⅵ
for percussion
パフォーミング・スコア
230 x 303 mm/16ページ
SJ1995
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