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細川俊夫《セレモニー》世界初演&日本初演

2022年 8月 31日付

細川俊夫/Toshio Hosokawa

photo © Kaz Ishikawa

細川俊夫の新作、《セレモニー》が9月14日、トーンハレ・チューリッヒで、エマニュエル・パユのフルート独奏、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団によって世界初演される。

フルートとオーケストラのための《セレモニー》は、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団とオーケストラ・アンサンブル金沢の共同委嘱による作品で、初演でフルート独奏を務めるエマニュエル・パユに捧げられている。

作品は5部から構成される。細川の多くの協奏曲において、ソリストは「人」を、そしてオーケストラは人の内と外に拡がる宇宙、自然を象徴している。この作品において、ソリストは超自然の力を呼び起こすシャーマンであり、「息」によって音を生み、その歌を彼の呼びかけに応える世界を象徴するオーケストラに投げかける。その世界と時に共鳴し、反発しながら、シャーマンの歌は深められ、自然へと一体化していく。

細川はこの作品について、次のように述べている。「私は、音楽の発生はアミニズムのシャーマニズム的儀式(セレモニー)から生まれてくると思う。フルートは、息を管に吹き付けることで音を生み出す。ギリシャ語では、息を意味する『プネウマ』は風を意味し、さらに霊魂、精霊を意味する。フルート奏者の息の響きは、自然の風のように響き、精霊を呼び覚ます歌となる。」

コロナ禍のパンデミック期間中に作曲されたこの作品は、長引くパンデミックの終息を願う祈りの音楽でもある。

10月1日には、同じくパユの独奏により、沖澤のどか指揮、オーケストラ・アンサンブル金沢によって、日本初演が予定されている。

細川俊夫 Toshio Hosokawa
セレモニー
フルートとオーケストラのための
Ceremony for flute and orchestra

【世界初演】
エマニュエル・パユ(フルート) パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
2022年9月14日[水]、15日[木]、16日[金]19:30 トーンハレ・チューリッヒ
https://tonhalle-orchester.ch/en/concerts/kalender/saisoneroeffnung-1575220/

【日本初演】
エマニュエル・パユ(フルート) 沖澤のどか(指揮) オーケストラ・アンサンブル金沢
2022年10月1日[土]14:00 石川県立音楽堂
https://www.oek.jp/event/4567-2