細川俊夫 ピアノ五重奏ための《オレクシス》世界初演
2024年 2月 29日付
photo © Kaz Ishikawa
3月7日、ベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールにて、細川俊夫の新作《オレクシス》がアルディッティ弦楽四重奏団と北村朋幹によって世界初演される。
ピアノ五重奏のための《オレクシス》は、アルディッティ弦楽四重奏団の結成50周年を記念する作品として、ジーメンス音楽財団の助成を受け、サントリーホールとアルディッティ弦楽四重奏団から委嘱された。委嘱に際して、アーヴィン・アルディッティより北村朋幹をピアノに迎えた作品を、とリクエストされ、ピアノ五重奏曲が書かれることとなった。
作曲家によると、題名の「オレクシス」はギリシャ語で本能的欲求を意味する。
「存在の空白(空虚)を埋めたいという宇宙的な本能(内的な促し)に沿って、音楽を生み出したいという願いから、この題名を選んだ。理性で制御することのできない内から溢れるような『歌』に満ちた音楽を書きたい。」(細川俊夫)
同時代の新しい作品に対する卓越した解釈と演奏に定評のあるアルディッティ弦楽四重奏団は、細川にとっても大きな影響を受けてきた存在である。同四重奏団は、これまでにいくつもの細川作品を初演し、多くの録音も残している。一方、ピアノの北村朋幹はその研ぎ澄まされた感性と知性に裏打ちされた演奏で、細川から絶大な信頼を置かれている。細川が音楽監督を務める武生国際音楽祭で出会った彼らが、共に細川作品に向き合うなかで、どのような素晴らしいコラボレーションを披露してくれるのか、期待が高まる。
細川俊夫
《オレクシス》(2023)
ピアノ五重奏曲のための
Oreksis
for piano quintet
【世界初演】
アルディッティ弦楽四重奏団、北村朋幹(ピアノ)
2024年3月7日(木)19:30 ピエール・ブーレーズ・ザール(ベルリン、ドイツ)
https://www.boulezsaal.de/en/event/arditti-quartet-50-years-216725