小出稚子 ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ大規模作品賞 最終選考にノミネート
2024年 3月 29日付
2024年1月30日、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティは2024年のロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ賞の「大規模作品賞」の部門に小出稚子の《揺籠と糸引き雨》をノミネートしたことを発表した。
ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティは、イギリスで200年以上の歴史を持つ協会で、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ賞は同協会が1948年に設立した、同国で最も権威あるクラシック音楽賞のひとつであり、最終選考にノミネートされるのは非常に名誉なことと言える。
《揺籠と糸引き雨》はBBC Radio 3の委嘱により、2022年に作曲され、同年10月29日、大阪のザ・シンフォニーホールで行われた BBC Proms Japan Prom Osaka にて、ダリア・スタセフスカ指揮、BBC交響楽団によって世界初演された。同音楽祭のProm5「爽やかな北欧の風と21世紀音楽の夕べ」(2022年11月5日、Bunkamuraオーチャードホール〔東京〕)でも取り上げられている。
また、2023年7月25日、本国イギリスのBBC Promsで、エリム・チャン指揮、BBC交響楽団によってイギリス初演が行われ、世界初演に続き、小出の独特な世界観による音楽が聴衆に鮮烈な印象を残した。
2024年3月5日に受賞者・受賞作品の発表が行われ、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ・大規模作品賞の受賞作品は、カイヤ・サーリアホの最後のオペラ《イノセンス》に決定。残念ながら、小出の作品は受賞を逃したものの、今回のノミネートは小出の音楽がイギリスの音楽界、ひいてはヨーロッパの音楽界からの注目を集めていることを意味する。
小出稚子の今後の活躍にご期待ください。