Toshio Hosokawa "Light and Darkness" (KAIROS)/細川俊夫『管弦楽作品集第4集』(ナクソス)リリース
photo © Kaz Ishikawa
細川俊夫の作品を集めたアルバム2作が4月と6月にリリースされた。オーストリアの現代音楽レーベル、Kairosからサクソフォンのための作品集「Light and Darkness」、そしてナクソスの「日本作曲家選輯」から『管弦楽作品集第4集』である。
「Light and Darkness」は、細川の作品を数多く手掛けてきたサクソフォン奏者、大石将紀が、2021~2023年にかけて5人のアーティストとともに完成させたアルバム。《3つのエッセイ》は、オーボエのための作品をソプラノ・サクソフォン版で大石が独奏。アルバムのタイトルでもある《明暗- Light and Darkness》は笙の宮田まゆみ、《3つの愛の歌》はソプラノのイルゼ・エーレンス、サクソフォンとハープのための《弧のうた》はハープの吉野直子、《ヴァーティカル・タイム・スタディII》はピアノの大宅さおり、打楽器の葛西友子と共演。
2018年の『管弦楽作品集第3集』から7年を経てリリースされた『管弦楽作品集第4集』は、4つの管弦楽作品を収録。《トランペット協奏曲「霧のなかで」》は、2013年の世界初演時の奏者であり、作品の献呈を受けたイエルーン・ベルワルツがふたたび独奏を担当。《ヴァイオリン協奏曲「ゲネシス(生成)」》は、出産祝いとして同作品を捧げられた、初演時の独奏者、ヴェロニカ・エーベルレに代わり、若手のポール・フアンが演奏。そのほか、細川の編曲によるオーケストラのための《さくら》、笙の演奏法から生じる螺旋状の渦巻く時間にインスピレーションを得た《渦》を収録。録音は2023年3月、細川の盟友、準・メルクルの指揮、ハーグ・レジデンティ管弦楽団によって、作曲家立ち合いのもとに行われた。
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TOSHIO HOSOKAWA
Light and Darkness
Works for Saxophone
Masanori Oishi
Kairos
https://www.kairos-music.com/cds/0022040kai
Three Essays (2016/2019)
for soprano saxophone solo
Mei-an - Light and Darkness (2020/21)
for shō and tenor saxophone
Three Love Songs (2006)
for soprano and alto saxophone
Arc Song (1999/2015)
for soprano saxophone and harp
Vertical Time Study II (1993/94)
for tenor saxophone, piano and percussion
Masanori Oishi, saxophones
Mayumi Miyata, shō
Ilse Eerens, soprano
Naoko Yoshino, harp
Saori Oya, piano
Tomoko Kasai, percussion
録音:
2021年9月10日、2022年9月8日、2023年9月8日
武生国際音楽祭(越前市文化センター)
日本語解説付き
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細川俊夫 TOSHIO HOSOKAWA
管弦楽作品集 第4集 Orchestral Works, Vol. 4
Naxos
https://ml.naxos.jp/album/8.574543
さくら (2021)
Sakura (Kirschblüte) for orchestra
トランペット協奏曲「霧のなかで」 (2013)
Trumpet Concerto, "Im Nebel"
ヴァイオリン協奏曲「ゲネシス(生成)」(2020)
Violin Concerto, "Genesis"
渦 (2019)
Uzu for orchestra
Jeroen Berwaerts, trumpet
Paul Huang, violin
Residentie Orkest The Hague
Jun Märkl, conductor
録音:
2023年3月14-17日
Amare コンサートホール, ハーグ(オランダ)
日本語解説付き
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