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湯浅譲二 95歳の肖像

2024年 7月 31日付

湯浅譲二/Joji Yuasa

photo © Jun'ichi Ishizuka

2024年の今年、95歳を迎える湯浅譲二の作品を特集した演奏会が、8月に2回にわたって開催される。7日の「95歳の肖像~室内楽作品を中心に~」と、12日の「95歳の肖像~合唱作品による個展~」である。このうち12日が湯浅の誕生日にあたる。

1950年代に武満徹らと参加した「実験工房」をはじめ、電子音楽、「プロジェクション」シリーズなど、長きにわたり最前線で現代音楽を牽引してきた湯浅は、今年2月に《哀歌エレジィ》で第71回尾高賞を受賞した。同作品は、2008年にマンドリン・オーケストラのために書かれた作品を、演奏の機会がより開かれたものとなるよう、打楽器、ハープ、ピアノ、弦楽オーケストラの編成に書き直したものである。湯浅の尾高賞受賞はこれで5回目となったが、今回の受賞は湯浅の現在に至るまでの創作への衰えぬ情熱を示すものに他ならない。

本演奏会は、そうした湯浅の創作活動の歩みを俯瞰するものである。室内楽を中心に取り上げる7日は、現代音楽の分野で目覚ましい活躍を見せる若手演奏家による室内楽やホルン独奏のほか、1986年の初演も務めた高橋アキによる《内触覚的宇宙II トランスフィギュレーション》などが演奏される。そして合唱作品を取り上げる12日は、2011年から湯浅の合唱作品の個展を5回にわたって開催してきた西川竜太が指揮を務める。湯浅が合唱作品の創作を始めた1971年の作品、《問い》に始まる今回のプログラムは、“音響”への飽くなき探求と同時に、湯浅の日本語と日本文化への美意識をあらためて認識させるものである。

湯浅譲二 95歳の肖像 ~室内楽作品を中心に~
湯浅譲二 Joji Yuasa
《Horn Locus ― ホルンのための》(2014)
Horn Locus for horn
《おやすみなさい 》(2013)*1
ソプラノ(またはメゾ・ソプラノ)とピアノのための
Good Night for soprano (or mezzo soprano) and piano
《弦楽四重奏のためのプロジェクション II 》(1970)
Projection for String Quartet II
《内触覚的宇宙 II ― トランスフィギュレーション ― 》(1986)*1
ピアノのための
Cosmos Haptic II –– Transfiguration for piano
《芭蕉の句による四つの心象風景 》(2007)*2
ヴァイオリンとピアノのための
Four Imaginary Landscapes from Bashô for violin and piano


成田達輝、石上真由子(以上ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、山澤慧(チェロ)、庄司雄大(ホルン)、松原みなみ(ソプラノ)、高橋アキ*1、大瀧拓哉*2(以上ピアノ)
2024年8月7日(水)豊洲文化センター(東京)19:00
https://note.com/jishizuka/n/n3aa000c11117

湯浅譲二 95歳の肖像 ~合唱作品による個展~
湯浅譲二《声のための「音楽」》(1991)
Joji Yuasa: Phonomatopoeia for mixed voice


西川竜太(指揮)、ヴォクスマーナ
2024年8月12日(月)豊洲文化センター(東京)18:00
https://note.com/jishizuka/n/n387a220cc5a2