photo © Ayano Sudo

下町・両国を舞台に、さまざまなアーティストを芸術監督に迎え、ユニークな内容で展開されてきた両国アートフェスティバル。最終回となる今年、芸術監督に山根明季子を迎えて、第9回のフェスティバルが開催される。

第9回のテーマは「二次創作」。山根はこれまで、「カワイイ」「ポップ」などをキーワードとしながら、自身の創作や他分野とのコラボレーションなど多様な活動を通して、現代消費社会にクリティカルな視点から鋭く切り込んできた。このフェスティバルでは、ピアノ音楽を中心とした3つのプログラムを通して、トークゲストや参加アーティストと共に、西洋芸術音楽の創作軸の重要な観点である「オリジナル」とは何かという問題に取り組んでいく。

電子メディアと芸術作品の関係性を考えるProgram 1、塩見允枝子、ラ・モンテ・ヤングらを取り上げながら、実験音楽の初期から今日に至るまでの、既にある音楽や素材、概念の再分脈化に焦点を当てるProgram 2、ブラームスによるバッハ作品編曲から委嘱新作まで、今を生きる私たちと「創作」との関わりを見つめ直すProgram 3と、さまざまな角度から練り込まれた多彩なプログラムが並ぶ。出演者との距離も近い会場で、ひとつのテーマにじっくりと向き合う濃密な時間が期待できそうだ。

第9回両国アートフェスティバル2024『二次創作』

【Program 1】

2024年8月3日（土）19:00　両国門天ホール（東京）
2024年8月4日（日）14:00　両国門天ホール（東京）

【Program 2】

山根明季子　Akiko Yamane
《イルミネイテッドベイビー》ピアノのための（2014-2015）^*1
Illuminated Baby for piano
《状態 No. 3》（2022）^*2
State No. 3
《ビートの網目 》（2024）^*3【世界初演】
Beat Weave for piano

川崎槙耶 ^*2&3、佐竹裕介 ^*1&3（以上ピアノ）
2024年8月7日（水）19:00　両国門天ホール（東京）
2024年8月8日（木）14:00　両国門天ホール（東京）

【Program 3】

2024年8月10日（土）19:00　両国門天ホール（東京）
2024年8月11日（日）14:00　両国門天ホール（東京）