photo © Kaz Ishikawa

2025年1月30日、ゲーテ・インスティトゥート東京にて、サクソフォン奏者の大石将紀が作曲家、細川俊夫の70歳を祝う記念コンサートを開く。細川に高く評価され、大きな信頼を寄せられてきた大石は、これまで細川から数多くの作品の初演を託されてきた。クラシックの古典はもとより現代作品にも多くのレパートリーを持つ大石が、その豊かな音楽性をもって細川の作曲家としての30年の歩みを描いていく。

細川は常より自己の音楽を東洋の“書”に喩え、「私の音楽は、音による沈黙という画布へのカリグラフィーである」と述べて、その創作には日本の古今の文学・芸術をアイディアとして取り入れてきた。今回演奏される、《黒田節》（2004/2024）をはじめ、《3つのエッセイ》（2014/2019）、《明暗》（2020/2021）、《3つの愛のうた》（2005）、《弧のうた》（1999/2015）、《ヴァーティカル・タイム・スタディ II》（1993/1994）には、細川のそうした意識がさまざまな形で織り込まれている。そしてここに、細川が若い頃から影響を受けてきたルチアーノ・ベリオの《セクエンツァVII b》（1969/1993）と、同じく武満徹の《ディスタンス》（1972）が加わる。

今回の共演者には、笙の宮田まゆみ、ハープの吉野直子、ソプラノの田口智子、ピアノの大宅さおり、パーカッションの葛西友子といった、第一線で活躍する演奏家たちが呼ばれ、さらにゲストとして、ダンスの小㞍健太、書家の白石雪妃が迎えられ、音楽、ダンス、書のコラボレーションが企画されている。

「細川俊夫生誕70年周年記念コンサート」
細川俊夫《3つの愛のうた》声とアルト・サクソフォンのための
細川俊夫《3つのエッセイ b》ソプラノ・サクソフォンのための
細川俊夫《ヴァーティカル・タイム・スタディ II 》テナー・サクソフォン、ピアノ、打楽器のための
細川俊夫《黒田節》サクソフォンのための
細川俊夫《明暗》笙とサクソフォンのための
細川俊夫／大石将紀《弧のうた》ソプラノ・サクソフォンとハープのための

2025年1月30日（木）19:00　ゲーテ・インスティトゥート東京（東京）
大石将紀（アルト・サクソフォン、ソプラノ・サクソフォン、テナー・サクソフォン）　宮田まゆみ（笙）　吉野直子（ハープ）　田口智子（ソプラノ）　大宅さおり（ピアノ）　葛西友子（打楽器）
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver.cfm?event_id=26210281