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コンポージアム2024:マーク=アンソニー・タネジの音楽

2024年 5月 20日付

Mark-Anthony Turnage

photo © Philip Gatward

いまをときめく作曲家の中から一人のテーマ作曲家を選んで開催される、東京オペラシティ文化財団の同時代音楽企画「コンポージアム」。2024年はイギリスのマーク=アンソニー・タネジを迎える。3日間にわたる同企画では、タネジのオーケストラ作品を特集する演奏会と、タネジ本人が審査を務める武満徹作曲賞の演奏会にくわえ、タネジとのトークセッションも予定されている。

いまでは60歳を越え、揺るぎない評価を得ているタネジは、現代のイギリス音楽界のもっとも重要な作曲家のひとりである。オリヴァー・ナッセンのもとで学び、指揮者のサイモン・ラトルらによってその作品が取り上げられたことをきっかけに、その名が広く知られるようになった。

タネジの音楽をもっとも強く特徴づけるのは、10代でのめり込み、マイルス・デイヴィスをとおして影響を受けたと公言するジャズである。1986~88年に作曲した最初のオペラ《グリーク》をはじめ、《3人の叫ぶ教皇》(1988-89)、《ブラッド・オン・ザ・フロア》(1993-96)、《スコーチト》(1996-2001)など、タネジはジャズと現代音楽を融合した作品を次々に世に送り出してきた。

5月22日の「マーク=アンソニー・タネジの音楽」では、いずれも日本初演となるタネジの3曲が演奏される。《ラスト・ソング・フォー・オリー》(2018)は師ナッセンを追悼する自作のピアノ曲やナッセン自身の音楽が引用された作品、《リメンバリング》(2014-15)はジャズ・ギタリストのジョン・スコフィールドの夭折した息子への追悼作品である。さらに、タネジの最新作であるオーケストラのためのファンファーレと題された《ビーコンズ》(2023)も演奏される。これらと共にプログラムを構成するのは、タネジ自身が大好きだといって憚らないストラヴィンスキーの《管楽器のサンフォニー》と、シベリウス(ストラヴィンスキー編)の《カンツォネッタ》である。

タネジ曰く、「ジャズが自分の語法の一部になっていて、直接ジャズの要素を用いていないオーケストラ曲でもジャズっぽくなる」。それはどのような響きの海か。「コンポージアム」をとおして作曲家タネジの音の世界を探求してほしい。

コンポージアム2024「マーク=アンソニー・タネジを迎えて」

https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=16400

マーク=アンソニー・タネジ トークセッション
5月21日(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
マーク=アンソニー・タネジの音楽
ストラヴィンスキー《管楽器のサンフォニー》(1920年版)
タネジ《ビーコンズ》(2023)【日本初演】
タネジ《ラスト・ソング・フォー・オリー》(2018)【日本初演】
タネジ《リメンバリング》(2014-15)【日本初演】

ポール・ダニエル(指揮) 東京都交響楽団
5月22日(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
2024年度 武満徹作曲賞本選演奏会
5月26日(日)15:00 東京オペラシティ コンサートホール
関連企画:
マーク=アンソニー・タネジ 作曲公開講座
タネジ《セット・トゥ》
タネジ《ノー・レット・アップ》
タネジ《リリース》
板倉康明(指揮) 国立音楽大学学生
2024年5月24日(金)18:30 国立音楽大学

主催:国立音楽大学